2015年F1第8戦オーストリアGPが19日、当地のレッドブルリンクで幕を開け、午前10時から行われたフリー走行1回目はメルセデスAMGのニコ・ロズベルグがトップタイムをマークした。
北米カナダでの一戦を終えたF1サーカスは再びヨーロッパへ逆戻り。第8戦の舞台は、昨年11年ぶりにカレンダーに復帰したレッドブルリンク(旧A1リンク)でのオーストリアGPとなる。
迎えた初日金曜日は、前日夜に降った雨の影響でコースのところどころにウエットパッチが残ったもののレーシングラインはほぼ乾いており、午前10時開始のフリー走行1回目は終始ドライコンディションで行われた。
タイヤは、モナコとカナダに続いて今回もプライムがソフト、オプションにスーパーソフトが採用されている。
降水確率が20パーセントと、比較的穏やかなスタートとなったFP1だが、各車が走行を始めると早くも注目を集める2チームにトラブルが発生する。まず最初にトラブルを抱えたのはマクラーレン・ホンダ。
今回、大規模なアップデートパッケージを導入する一方で、フェルナンド・アロンソがエンジン交換によるグリッドペナルティを受けることが決まっているマクラーレンは、開始直後のインスタレーションラップでアロンソ車のギヤが6速からニュートラルに入ってしまうトラブルが発生。幸い惰性でピットまで戻れたものの、ガレージに収まったアロンソのマシンはそれからセッション終盤まで走行できない事態に陥ってしまった。
続いてトラブルに見舞われたのは、打倒メルセデスの期待がかかるフェラーリの一台、セバスチャン・ベッテルのマシンだ。開始20分過ぎ、1コーナーを立ち上がったベッテルはすぐ先のエスケープゾーンでマシンを止めると、その場でマシンを降りることに。その後、ギヤボックスのトラブルが判明したフェラーリ陣営は、残されたキミ・ライコネン一台だけでプログラムを進めることになったが、そのライコネンもセッション中盤はガレージで過ごす時間がしばらく続いた。
一方、彼らとは対照的に順調なスタートを切った王者メルセデスは、昨年のウイナーであるロズベルグがセッション中盤に1分10秒401をマークしてトップに立つと、選手権リーダーのルイス・ハミルトンもチームメイトからコンマ3秒差の2番手につけた。
3番手は、22周を走ったフェラーリのライコネンでロズベルグからはコンマ6秒差とまずまずのタイム。4番手に、昨年表彰台を獲得しているウイリアムズのバルテリ・ボッタスがつけたが、トップのメルセデスとは1秒差。チームメイトで昨年のポールシッターであるフェリペ・マッサは9番手となった。
残り20分を切ってようやく走行にこぎ着けたマクラーレン・ホンダのアロンソは、なんとか10周を走りきって17番手タイムをマーク。ただ、スタート前に一旦は装着していたレッドブル型の新しいショートノーズでは走行せず。一方、バイブレーション等の問題はあったものの、比較的順調に30周を重ねたチームメイトのジェンソン・バトンは1分12秒920というタイムでアロンソの前、16番手で最初のセッションを終えている。