6月17日放送の「とくダネ!」では「子連れ出勤」を特集したが、そこで取り上げられた都内の不動産会社「R-STORE」社長の浅井佳氏が番組の編集に疑問を呈している。
番組では、同社を「子連れ出勤を導入しようと試みている会社」として紹介。VTRの中では、子どもが出す音によって社員が、「集中出来ない」と話す様子や、オフィスを途中退出する様子が映し出されていた。「子連れ出勤」の大変さが強調されていた形だ。
「言葉がつなぎ合わされてコメントに仕立てあげられた」
しかし浅井氏のブログによれば、不動産業で土日出勤も多い同社では、土日に保育園に預けられない子どもがオフィスについてくることが多々あり、受け入れる土壌があったという。子どもを煙たがる社員はいないということだ。
撮影当日のオフィスもとても和やかで、業務にもまったく差支えがなかったという。それだけに、番組の編集のありかたに疑問を持ったようだ。「まあなかなか悪意を感じる編集で」と言っている。
浅井氏が主に言及している点は2つ。1つ目は「ちょっと集中出来ないんで、外のカフェで仕事をしようかなと…」と途中退出する社員が映し出された点。元々、同社はオフィス以外でも仕事をして良い仕事。その外出シーンがいかにも「子どもが迷惑」という雰囲気に仕立て上げられてしまったとのことだ。
「色んなシーンで喋った言葉がつなぎ合わされてあんなコメントに仕立てあげられていて、かなり驚きました」
子連れ出勤のデメリット「ないですよ、本当に」
2点目は、浅井氏が子連れ出勤に対してコメントする場面。画面には赤字で「デメリット」という字が強調されていたが、実際の答えは「子供がここにいることのデメリットに目をつぶってでも社員が働き続けてくれるならこういうことはすべきだと思う」というものだ。
それも浅井氏が特にデメリットを感じているわけではなく、番組側から「やっぱりデメリットってありますよね??」と聞かれたので回答したものが使われたという。
「デメリットないですよ、本当に」
番組終了後、多くの反響があったため、浅井氏はブログで説明するに至った。「放映するなら、きちんとこちらの意図を伝えて欲しい」と訴える。今回の放送でテレビの編集の怖さを感じたそうだ。
番組で「子連れ出勤」の取り組み導入のハードルが高そうに見えてしまうように見えたことに対し、「本当に残念でした」と感想を述べている。
「もっともっと良いシーンや楽しいシーンがいっぱいあったはずなんですよ。子供と話すのだって、今(根)詰めて仕事している社員にとっては、よい息抜きにもなっていたのに。迷惑ばっかりかけているようなそんな伝え方フェアじゃないですよね」
今後も子連れ出勤に取り組んでいく
浅井氏は「『子連れ出勤』R-STOREは今後も取り組んでいくつもりですので、誤解なきよう!」と取り組みを続けていくことを明言している。
このブログを読んだ読者からは驚きの声があがり、19日14時までに1万を超えるツイートが投稿された。ツイッターにはテレビに対する不信感を表すもののほか、「今の世の中はこういうことがあってもネットで反論できるぶん、まだマシなんだろうな。今までどれだけの人が泣き寝入りしたのだろう」といった、ネットのメリットに言及する声が多い。