ニッサンは、今年のル・マン24時間耐久レースでGT-R LMニスモのハイブリッド・システムが機能していなかったことを認めた。
ニッサンのモータースポーツ部門を率いるダレン・コックスは、上位勢から18秒もの遅れをとったニッサンGT-R LMニスモがハイブリッドパワーの恩恵を全く受けていなかったという噂を認めた。
「いや、我々はそれを走らせることはしなかった」と、コックスが英AUTOSPORTに語っている。
「信頼性の理由で、ハイブリッドシステムを連動させなかったんだ」
コックスは、レース本番の2週間前に行われたル・マン公式テストの後に、その決定がなされたと説明している。
ニッサンのテクニカルディレクターでチームを率いるベン・ボウルビーは、英トロトラック社の開発したシステムがテストで十分な信頼性を示さず、パワーを下げた状態で作動させなければならなかったと示唆している。
当初、ニッサンGT-R LMニスモは、8MJ(メガジュール)のエネルギー放出量を想定していた。しかし、フロントアクスルで得られたパワーをリヤホイールへ導く伝達機構は、ダイナモ上での信頼性を確立できず、2MJへの格下げによってフロントのみの回生・力行を余儀なくされた。
コックスは、ニッサンのシミュレーションで、当初の8MJであれば、ル・マン1周あたり4秒の価値があると述べている。
今年のル・マン最速タイムはアンドレ・ロッテラーのアウディR18 e-トロン・クワトロが記録した3分17秒475だったが、ハリー・ティンクネルによって記録されたニッサンGT-R LMニスモの最速タイムは3分35秒888だった。