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乃木坂46、舞台『じょしらく』初日ゲネプロレポート 堀未央奈が創作落語を見事披露

2015年06月18日 23:31  リアルサウンド

リアルサウンド

乃木坂46

 乃木坂46が、6月18日に東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて、舞台『じょしらく』初日を迎え、会見と公開ゲネプロを行った。


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 ゲネプロ前の囲み取材では、この日の舞台に出演する「チームら」のメンバーに「今日の意気込みは?」という質問が寄せられた。これに対し、斉藤優里(蕪羅亭 魔梨威役)は「稽古の時間を(『16人のプリンシパル』より)長く取れたので、いい舞台になりそう」と語ると、伊藤万理華(防波亭 手寅役)は「チームのメンバー全員が揃うということがあまりなかったので、いないときは代わりに他のチームからその役を務めるメンバーが手伝ってくれた」と、チームの垣根を越えて作りあげた舞台であることを明かした。


 落語をテーマにした漫画を原作とする同舞台。堀未央奈(空琉美遊亭 丸京役)は演目の見どころについて「創作落語を日替わりで披露するんですけど、今日は私なので緊張します」と語り、山崎怜奈(暗落亭 苦来役)は「原作ファンの方にも『乃木坂46がやってよかった』と思ってもらえるようにしたい」と意気込んだ。続いて伊藤が「各チームには、その人たちなりの『じょしらく』があって、そのメンバーらしさもあるので、楽しむことができる」と、チームごとに特色のある公演となることを予告した。


 その後、「一番落語が上手なメンバーは?」という質問に対しては、全員が口を揃えて能條愛未の名前を挙げ、衛藤はその理由について「最初の練習で、能條がトップバッターで一切間違えずに演じたので、他のメンバー全員にプレッシャーがかかった」と明かすと、能條は「落語の先生にも『アイドル辞めて落語界に来たら?』と言われた」と告白し、会場の笑いを誘った。


 ゲネプロでは、原作同様「この舞台は女の子の可愛さをお楽しみ頂くため邪魔にならない程度の差し障りのない会話を~」という前置きがなされたあと、蕪羅亭 魔梨威(斉藤優里)の前口上から演目がスタート。


 こちらも原作に沿った形で、さまざまな雑談から四方八方へストーリーが展開していったが、「乃木坂46が上演する意味」を持たせるための演出として、舞台オリジナルの設定が多数追加されていた。アイドルシーンについて言及したり、時事を斬ったりと、演劇という枠組みの上ならではの台詞が次々とメンバーの口から飛び出し、観客から笑い声が多く漏れた。


 また、『16人のプリンシパル』との違いという点では、やはり脚本のベースと演者の準備が整っているという部分が大きい。チームや演者によってカラーが変わるといっても、台詞を全員が完璧に覚えた状態で多少アドリブを交える『じょしらく』と、その場の偶然性で大きな化学変化を待つ『16人のプリンシパル』では、見る側の姿勢も違っていたようにみえた。今回の川尻恵太(SUGARBOY)の演出も絶妙で、新旧アニメからネットの流行といった“元ネタ”を多数駆使し、観客のツボを突くようなポイントを多数用意。終盤に向かうほど、流れを掴んだ客席からのリアクションは増していったように感じた。


 そして、会見で堀が語っていた創作落語のパートでは、古今亭志ん生の演目としておなじみ「猫の皿」をアレンジした「猫の丸皿」を披露。空琉美遊亭 丸京(堀未央奈)は緩急をしっかりと付けて役に入りこみ、見事一席を弁じてみせた。


 上演後、メンバーの口からは「緊張したー!」という言葉が多数漏れていたが、ここから28日まで行われる公演内で、彼女たちが演者としてどのように成長するのか、引き続き楽しみに見守りたい。(中村拓海)