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[Alexandros]、約8年ぶり代々木の地で1万人熱狂 広い地平への一歩を実感させるライブに

2015年06月18日 00:21  リアルサウンド

リアルサウンド

東京・代々木公園野外ステージにてフリーライブを開催した[Alexandros]。

 [Alexandros]が、6月17日に改名後初のアルバム『ALXD』をリリースし、同日に東京・代々木公園野外ステージにてフリーライブを開催した。


(参考:[Alexandros]がライブで見せた”自由奔放”さ ブランキーなどの名曲カバーも


 アマチュア時代、同ステージの近くで約5年間にわたって路上ライブを行っていた[Alexandros]が、代々木公園でライブを行うのは約8年ぶりとのこと。この記念すべき日の彼らを一目見ようと、会場には約1万人の観客が集まった。


 まだ少し雨も降るなか、SEの「Burger Queen」に合わせて登場した[Alexandros]は、川上洋平(ボーカル・ギター)が同曲のアウトロをギターで弾き「行くぞ代々木ー!」と叫んだのを合図にライブがスタート。彼らが記念すべき地で一曲目に選んだのは、1stアルバム『Where's My Potato?』収録の楽曲で、活動初期からの人気曲「For Freedom」。バンドは冒頭から惜しみない全力の演奏を披露し、1万人の観客が地面を大きく揺らした。


 その後、少しのインターバルがあったのち、[Alexandros]は2曲目に「Waitress, Waitress!」を演奏。川上のカッティングと白井眞輝(ギター)のリフ弾きが、激しいアンサンブルを生む同曲で再び会場を盛り上げると、続いては川上がギターを置き、ハンドマイクで「Kick&Spin」を披露した。


 曲間のMCでは、川上が「8年前は10人~30人くらいしか観客が居なくて悔しかった。いつかここに立とうと思っていたから、今日は特別な日なんだ」と、同ステージがバンドにとって特別な場所であることを強調。続けて川上は「俺は酒が飲めないけど、お前らの楽しんでる姿で酔っちゃうよ」と観客に語りかけ黄色い声援を浴びたあと、最新アルバムから、白井の高らかに鳴るギターリフがメロディを先導する「Run Away」を歌い上げた。


 その後、川上は「新曲やってもいいですか? でも、すでにこの曲はみんなのものです」と語り、疾走感がバンドの勢いを表現するかのような『ALXD』のリード曲「Famous Day」を演奏。本編最後は、映画主題歌にもなり、バンドの名前を広く知らしめた「ワタリドリ」で、一度ステージを後にした。


 アンコールでは、川上が演奏前に「今日は高いお金を払ってきてくれてありがとう」とおどけたあと、新アルバム収録曲の「Dog 3」をライブ初披露。2ndアルバム『I Wanna Go To Hawaii.』内に収録している「Cat 2」の続編ともいえる同曲では、間奏で庄村聡泰(ドラム)が高速でバスドラムを踏み、磯部寛之(ベース)が激しいベースプレイを、川上と白井がメタルバンドのような高速ギターリフを弾くなど、ハードなアプローチで観客のテンションを上昇させた。


 最後のMCで、白井は「ここでメンバーと再会して、バンドへの加入が決まったから、この場所は人生のターニングポイントになった特別なところ」と、転機が訪れた場所であることを語ると、川上は「あの時見てくれた10人のお客さん、本当にありがとうございました。そしてこれからの俺たちを応援してくれる人たちも、ありがとうございます。最高の場所に連れて行くのでよろしくです!」と叫び、「spy」を熱唱。彼らの決意を綴った同曲で、川上は奇しくも雨が上がった空に向かい<明日空が晴れ渡って 雨上がって 地固まって 青色が零れればいい>と噛みしめるように歌い上げ、この日のライブは終了した。


 バンドがより広い地平へと踏み出したことを、ファンも本人たちも実感したであろう今回のフリーライブ。次のステージへ進んだ[Alexandros]は、ロックシーンをどこまで変革させるのか。期待して見守りたい。(中村拓海)