タレントのマツコ・デラックスさんが最近の消極的な若者に対して語った仕事論が話題を呼んでいる。6月15日、マツコさんがレギュラー出演する情報番組「5時に夢中」(東京MX)で、「将来を諦める若者」という日刊ゲンダイの記事が紹介された。
R25編集部が20歳から35歳の男性会社員に「将来、父親の収入を超えられるか?」と聞いたところ、約63%が「いいえ」とあきらめ気味の回答をした、という内容だ。
「寝る暇を惜しんで働くと後でそれを使って生きられる」
記事では、日本人の平均年収が1990年以降右肩下がりで、25年間で約100万円も減少している昨今の給与事情を説明。心理学者は若者の心情について、こう分析していたという。
「いまの若者の多くは出世したり会社を伸ばしたりして収入を増やすよりも、好きな趣味を楽しんで暮らしたいという考え。自分の世界に閉じこもっているのです」
この記事についてコメントを求められたマツコさんは、「趣味にもお金はかかるし、無理をしないで生きようと思ってもお金はかかる」と指摘。その上で、仕事に消極的な若者について、こう語った。
「死に物狂いの時期が3年、4年5年あるだけで、その後の人生が大きく変わる。その時期である程度のことを貯金しておくと、後でそれを使って生きられる。どんなにきつくても寝る暇を惜しんで働く時期が3~5年あるのはすごい大事」
マツコさんとともにコメンテーターとして出演している株式評論家の若林史江さんも、「頑張るときに頑張っておかないと、30代40代になったときに稼げない大人になってしまう」と発言。
最近は、大企業でも頑張れば必ず給料が上がるという訳ではない。若者がやる気をなくすのもある程度仕方ないが、若いときに頑張っておいた方が後のためになる、ということのようだ。
バブルを経験した「お父さん世代」のことは気にしない
ただしマツコさんも、若者を一方的に批判している訳ではない。前出のR25の調査対象が20歳から35歳ということに言及。この世代の父親というと40代から60代が中心になってくるが、マツコさんは、
「お父さんの世代が丁度、日本がイケイケドンドンからバブルに差し掛かるぐらいじゃない。給与水準的にいったら、実際の上がり方よりも遥かにボンッと上がった世代」
と指摘する。1970年代、80年代はGDPが右肩上がりで上昇し、サラリーマンの給料も急激にアップした時代だ。マツコさんはそうしたかつての時代はイレギュラーだったと語る。
「お父さんの話を鵜呑みにして、『日本ってこれぐらい稼げた国だったんだ』って思って諦めてしまうのはまだ早い。バブルのころの給与水準は異常値だったんだから」
父親の給料が高かったのはあくまでもそういう時代だったからであって、今の若者が卑屈になることはない。気にしないで頑張れ、ということだろうか。
マツコさんの一連の発言はネットでも話題を呼び、ツイッターでは「本当そうだと思う。辛いことを逃げ続けた僕はそう思う。後々後悔する」「頑張ろう!」といった声もあがっていた。
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