ミシュランが2017年以降のF1公式タイヤサプライヤーの募集に応じ、申請を行ったことが明らかになった。
ピレリとの契約期間が2016年末までとなっているため、FIAは2017年から2019年のサプライヤーを募集する手続きを開始した。参戦を希望するメーカーは6月17日までに提案書を提出しなければならない。
この締切を前に、ピレリに加えてミシュランが新たに申請を行ったことが分かった。
英AUTOSPORTの取材に応えてミシュランのモータースポーツディレクター、パスカル・クワノンは「イエス、我々はエントリーした」と認め、以下のようにコメントした。
「状況を説明すると、これまでF1に関して協議し、いくつかのアイデアを提案してきた。今のタイヤの状況には特に失望しているからだ」
「自らの一貫性と信頼性を保つためには、解決法を提案することなく不平だけを言うべきではない」
「考えがあるのであればそれを提案することが理にかなっていると私は考えた。彼らがこれに関心を持つかどうかはこれから分かる」
「少なくともこれで、『批判しているだけで何も行動していないじゃないか』とは言われない。我々は行動を起こしたのだ」
クワノンは、ミシュランはタイヤサイズを現在の13インチから18インチに変更し、より耐久性の高いタイヤを使用するという前提で入札を行ったことを認めている。
「こういった提案は全く変わっていない」とクワノン。
「提案を行うにあたって、状況を少し変えようとしている。F1のタイヤのイメージは我々が望むようなものではないし、理にかなったものでもない」
「数周走るだけの目的でタイヤを使われるのは、タイヤ業界にとっていいことではない」
「ショーを盛り上げるのには別な方法があると考えている。(ル・マンの)週末を見ていると、高いグリップを長く保つハイテクタイヤを使っても、いいショーを提供できることが分かる」
ピレリはすでに昨年18インチタイヤのテストを行っているが、メルセデスやフェラーリのボスはF1関係者の中では18インチに変更すべきではないという点で意見が一致していると発言している。
また、F1の商業面のボス、バーニー・エクレストンは、ミシュランの復帰はF1にとっていいことではないとの考えを示している。「彼らは自分たちが批判されるような立場に立ちたくないがために、1年も持つような岩のように硬いタイヤを作るだろう」と彼は述べ、ピレリを支持する立場を取っている。
クワノンは、エクレストンの意向は理解していると述べた。
「もちろんバーニーが望むことを尊重する。ピレリがいい仕事をしているという意見も理解している。だがチームやドライバーたちの話を聞くと、必ずしも全員がそういう意見を持っているわけではない」
「ピットストップの回数を増やしたいというのであれば、デグラデーションが大きくないタイヤを使用しながらそれを実現する方法がある。ガイドラインを尊重した解決法を見つける必要があるだろう」
「我々にとって重要なのはいくつかのアイデアを提案することだ」
「我々はF1を愛している。だが今の状況を見ると改善できる点があると思う。自分たちが正しいと言うつもりはない。だが少なくとも多少の革新をもたらし、F1に貢献したい」
6月17日までに提出された提案書が技術面および安全面で条件を満たしていた場合、そのメーカーは最終選考に残ることになる。FIAは今回の募集で求めているのはシングルサプライヤーであると明示している。