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miwaがツアーファイナルで見せた“表現の幅” 25歳を迎えたステージに12000人が熱狂

2015年06月16日 11:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『miwa concert tour 2015 “ONENESS”』の様子。(写真=佐藤薫)

 miwaが、6月15日に横浜アリーナで全国ツアー『miwa concert tour 2015 “ONENESS”』のファイナル公演を行った。


(参考:松任谷由実、aiko、そしてmiwaへ 女性シンガーソングライターの美しき系譜とは?


 同日はmiwaにとって25歳の誕生日でもあり、平日の横浜アリーナには約12000人のファンが駆け付けた。開演時間になると、最新アルバムの表題曲「ONENESS」のイントロが流れ、ステージを覆った巨大な幕には、拳を突き上げ、エレキギターを抱えるmiwaのシルエットが大きく映し出された。その後、miwaは白黒パンツルックというしっかりキメた出で立ちで登場し、続く「Faith」ではライトハンド奏法を披露。まずは“ロックなmiwa”で会場を大きく盛り上げた。


 続いてmiwaは「キットカナウ」「It’s you!」とハンドマイクでポップな楽曲を歌い上げ、ファンはタオルを回したり、恒例の振付を真似るなどしてこれに応えた。ここでアコースティックギターに持ち替えたmiwaは、「441」や「恋の予感」などの人気曲を熱唱すると、観客を座らせて披露したバラード曲「月食 ~winter moon~」では、背景のビジョンに月が浮かび上がるドラマチックな演出で、“大人のmiwa”の姿を見せた。続く「片想い」では、サビの<あなたに恋していいですか? 私じゃダメかな?>という一節を歌い上げながら号泣する場面も。そしてバラードパートのラストは、自身が敬愛し、デビュー前から長らくカバーしているキャロル・キングの代表曲「You’ve Got A Friend」のカバーをアコースティックギター1本で披露。中高生や親子連れの観客が目立つなか、miwaがこうして自身のルーツをしっかりと伝えていくことにも、ひとつの意義があると感じる一コマだった。


 ライブ後半は「fighting-φ-girls」「空の彼方」と、明るい楽曲たちでスタート。アルバム内でオリアンティがギターソロを弾いていた「super heroine」では、miwaが「どうしても女性にソロを弾いてもらいたい」という理由で、10代の頃から交流があるという高校生ギタリスト・瑠璃をゲストに招聘。2歳からギターを弾いているという彼女は、同曲で卓越したギターテクニックを披露し、miwaも「こんなギター弾かれたら、ギター辞めたくなっちゃうよね」と、笑いながら瑠璃を褒め称えた。


 その後、瑠璃に負けじとmiwaもハードなギターを演奏した「chAngE」や、センター・スタンド・アリーナが一体となってタオルを回した「ストレスフリー」「ミラクル」とアッパーな楽曲を立て続けに披露。18曲目にはフライングVを抱えたmiwaが、背後から神々しく光を当てられながら「ヒカリへ」を歌い上げ、最後は「希望の環(WA)」で観客が大合唱し、本編が終了した。


 アンコールでは、高さ1.2mと特大の“チビmiwa”ケーキが登場し、miwaは「チビmiwaなのに、私より大きいんじゃない!?」とリアクションして観客の笑いを誘うと、サプライズで海外のオリアンティから「miwa、誕生日おめでとう!」というサプライズムービーが届けられ、miwaは声が裏返るほど興奮。続いてデビュー前からmiwaを良く知る、事務所の先輩・綾野剛からも誕生日祝いのコメントが寄せられた。その後、miwaは6月17日から全国でオンエアされる『ベネッセコーポレーション 進研ゼミ「勝ち夏」応援CM』のテレビCMに出演する事を発表し、ファンを喜ばせたあと、観客も警備員も一緒に歌い踊った「360°」を披露。「春になったら」「again×again」では、アルバム『ONENESS』のジャケットのモチーフになった“タンポポの種”を模したトロッコが登場した。これに彼女が乗り込み、会場を周回しながら観客のそばで歌を届けると、miwaバンドの面々もステージ前方にせり出し、クライマックスへと向かうライブを盛り上げた。


 ラストの「君に出会えたから」でも会場が一体となり、まさにmiwaが最新作で掲げた「ONENESS」というテーマにぴったりの光景が繰り広げられたところでライブは終了。最後にmiwaは「終わりたくない!」「嬉しいよぉ…」と感極まりながらファンへ感謝の意を述べ、深々とお辞儀をしてステージを後にした。


 miwaが25歳の誕生日を迎えたこの日。ポップに、ロックに、時には大人っぽく、様々な表情を見せる彼女の、表現における幅の広さをますます実感したライブだった。(中村拓海)