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F1現地直送:いまだ続く舌戦、17歳のフェルスタッペンに援軍

2015年06月15日 19:10  AUTOSPORT web

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マックス・フェルスタッペンはモナコで受けた罰に加え、パワーユニット5基目を投入したため10グリッド降格。カナダはペナルティを消化する一戦に
F1カナダGPのパドックで話題を呼んだ、モナコGPでのマックス・フェルスタッペンとロマン・グロージャンの接触事故。フェリペ・マッサは木曜日のFIA会見でフェルスタッペン本人が同席していたにもかかわらず、公然とルーキーのドライビングを批判した。

 モントリオールにも帯同していたマックスの父親であり、元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペンに聞いたところ、こうした批判に対して動じる様子はなかった。

「私は若かったころのマッサとレースしたことがあるが、彼も当時は要注意人物だった。レース中の事故を批判できるドライバーなんていないよ。レースで事故を起こしたことがないドライバーなんて、いないからだ。だからレース審議委員会があり、そこで裁かれる。文句があればレース審議委員会へ言えばいい。私はレース審議委員会が下した裁定に従うだけで他のヤツがなんと言おうと気にしない。過去を振り返っても何も始まらないからね」

 レッドブルのドライバー育成プログラム責任者であるヘルムート・マルコも「モナコの事故は単なるレーシングアクシデントだ」と、マッサの主張をはねのけた。

「レース後に走行データを検証したが、マックスがあのラップで、いつもより遅くブレーキングしていたという証拠はなかった。前のラップと同じか、むしろ少し早く踏んでいたくらいだ。あの事故は接近していたから起きたもので、その責任はレース審議委員会から下された裁定(カナダGPで5グリッド降格+ペナルティポイント2)に従うことで果たしている。他人にとやかく言われる筋合いはない。マッサは人のことより、自分の心配をしたほうがいい」

 トロロッソのフランツ・トスト代表も100%フェルスタッペンを支持している。

「前を走っていた者(グロージャン)が遅く、後ろを走っていた者(フェルスタッペン)のほうが速かったから事故が起きただけの話。マックスが事故を起こしたことは事実だが、重大な過ちを犯したとは思っていない。もちろん我々は同じことを繰り返さないようデータを検証し、あのような場合どうすべきかをチーム内で話し合っているが、それを公にしようとは思わない。すでにマックスも納得して次へ進んでいる。彼の成長は、あなたたちが想像するよりもずっと早いよ」

 カナダGPの3日間、フェルスタッペンは一度も他車との接触事故を起こさなかった。レース後に父親のヨスに会うと、息子が15位に終わったにもかかわらず、笑いながら話しかけてきた。

「レーシングドライバーは口じゃなくて、コース上の走りがすべて。マックスは今日やりきった。あっちのドライバーは、また事故を起こしたけどね。それが答えだよ」

 グロージャンはカナダGPでウィル・スティーブンスと接触、「5秒加算とペナルティポイント2」との裁定を受けたため、フェルスタッペンへ向けた批判が自らに返ってくる事態となってしまった。

(尾張正博)