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AKB48渡辺麻友が語る、グループの特異性 「まじめにやることが正解な場所ではない」

2015年06月15日 11:21  リアルサウンド

リアルサウンド

渡辺麻友『出逢いの続き(初回生産限定盤A・CD+DVD)』

 AKB48の渡辺麻友が、6月15日放送のドキュメンタリー番組『情熱大陸』(毎日放送・TBS系)に出演。『選抜総選挙』やドラマ撮影、握手会の裏側を取材され、彼女の本音が明かされた。


(参考:AKB48メンバーが本気で恐れるアイドルとは? 渡辺麻友「AKB48全員を集めても敵わない」


 番組冒頭では、6月6日に福岡・ヤフオク!ドームで行われた『41thシングル選抜総選挙』の翌日朝6時に彼女を直撃。渡辺は3位という結果について「むしろ1位だったほうが泣いてましたね」と語り、番組がスタートした。


 続いて、渡辺は「『AKBのまゆゆ』を取ったら何も残らないと思うんです。だからそうならないために実力を付けていかなきゃと日々痛感している」と思いを明かしたあと、場面は秋葉原・AKB48劇場に転換。渡辺は初めて劇場に出演した際の思い出について「本当に楽しくて一瞬で終わった。こんな楽しいことってあるんだと思った。すぐ反応が返ってくるから」と語った。


 また、移動中の車内で、渡辺は「私は私なりの王道を。夢と希望をじゃないけど、きれいな部分だけを見せる。アイドルってそういうモノなんじゃないか」と自らの掲げるアイドル論を展開。続けて「アイドルの姿を見て元気が出たり仕事を頑張ろうと思ってくれる方がいる限りこの活動はしていきたいし、必要とされるからこそアイドルは輝くと思うので」と、この仕事を続ける意義について述べた。


 その後、番組ではソロシングル『出逢いの続き』に向け、渡辺がボイストレーニングを行う模様を放送。歌唱力に自信がないという渡辺は、トレーニングの時間がうまく確保できないことについて「寝る時間がいらない。寝なくても大丈夫な身体が欲しい」とこぼした。そんな渡辺の多忙さはピークを迎えており、テレビ局の楽屋でラジオのコメント録音をしたり、早朝からの収録に備えてのヘアメイク中にうたた寝をしたり、合間に楽屋で点滴を受けるといった様子をオンエア。渡辺はこの多忙さについて「今までの人生で一番忙しいけど、一番頑張らなきゃいけない。簡単に仕事に穴を空けられないし、代わりもいないので」と、今が頑張り時であることを強調した。


 また、仕事の合間、渡辺はマネージャーから与えられた30分の時間を使い、表参道に買い物へ。渡辺はお気に入りの店に入ると「最近すごい癒しを求めるようになって。疲れてるのかなって…」と思わず本音を語るなど、素の渡辺を垣間見ることができた。続いて番組は、ドラマ『戦う!書店ガール』(フジテレビ系)収録現場で繰り返し厳しいダメ出しを受け、思い悩む渡辺の姿を放送。渡辺はこのことについて「ずっとAKB48にいるわけではないので、そうなった時には外の世界にひとりでやっていかなきゃいけない。だからアイドルっていうのは捨てたいなと思ってるんですけど、なかなか難しいですね」と、女優業とアイドルの狭間で揺れる心境を明かした。


 渡辺は同番組で、AKB48の評価体系についても言及。「AKB48は、まじめに、ストイックにやることが正解な場所ではない」と前置きしたうえで、「まじめな子が損をするような世界でもあるけど、私は絶対報われると信じて、諦めないでやってきた」と自らの進んできた道を振り返り、2014年の『37thシングル選抜総選挙』で1位になったことについては「今まで生きてきたなかで1番を取ったことがなかったので、人生で残してきたなかで1番大きなもの」と、ようやく手にした“1位”を大事そうに語った。


 しかし、『41thシングル選抜総選挙』の結果は、指原莉乃・柏木由紀に続く3位に終わってしまった。場面は再び総選挙翌日の朝6時に戻り、渡辺の口からは「何かもう、上位のメンバーが固まっちゃってて、次の世代に繋いでいかないとと思った。そのためにも、私が次のステップに進めるように、ちゃんと準備して力を付けないと」と、自身のことではなく、グループ全体を俯瞰した意見を述べた。最後に、番組スタッフから「生まれ変わってもアイドルになりたい?」と質問が投げられると、渡辺は「ならないかな、もう十分満喫できた。アイドルじゃない人生もやってみたいし、生まれ変わったら猫とか(笑)。自由でのんびりしてていいなって」と答え、番組が終了した。


 王道アイドル・渡辺麻友のストイックさと、その裏側にある素顔が明らかになった今回の放送。彼女はこれから、アイドルやソロ歌手、女優と多岐にわたる活動を通じてどこへ向かって行くのだろうか。(向原康太)