13日~14日に行われた第83回ル・マン24時間耐久レースで19号車ポルシェ919ハイブリッドをドライブし、ル・マン初参戦にして総合優勝を飾ったニコ・ヒュルケンベルグは、この勝利を「キャリア最大の成果」だと話した。
ヒュルケンベルグは今回、ポルシェ陣営の3台目となる19号車をドライブ。ポルシェのGTプログラムで活躍してきたニック・タンディ、2014年にポルシェ・モービル1スーパーカップで王座を獲得した24歳のアール・バンバーとともに、WEC世界耐久選手権の第2戦スパ、そして今回のル・マン24時間に臨んだ。
そんな19号車は、序盤から首位争いに加わると、夜を迎えても大きなアクシデントなく好ペースで周回。夜明けを前にレースの主導権を握ると、最後まで優勢のうちにレースを展開。昨年からLMP1クラスに参戦を開始したポルシェに、通算17回目のル・マン総合優勝をもたらした。
今シーズンもフォース・インディアからF1に参戦しているヒュルケンベルグは、ル・マンでのデビューウインは夢だったのだと語った。
「今日は、僕のキャリア最大の、素晴らしい成果を挙げることができた」とヒュルケンベルグ。
「勝った直後だから、まだこれが現実だとは思えないんだ。(実感するのは)数日後になるだろうね」
「素晴らしい経験になった。F1という環境からやってきて、ル・マンというレースを体感することができたんだ」
「(優勝は)本当にうれしいよ。より一層うれしいのは、今や語りぐさとなったふたりととともに、いきなりル・マンで勝てたことだ」
ヒュルケンベルグは、19号車の勝利の鍵となったのは、ポルシェと19号車のドライバーたちがともにミスを犯さなかったことなのだと話す。
「僕たちのクルマにとっては完璧なレースだった。ペースも素晴らしく、ミスとも無縁で、いい流れといいリズムに乗れていた」
「ここ数ヶ月、睡眠も削って死に物狂いで作業をしてくれたみんなに感謝したい。今日はそれに報いることができた」
またチームメイトのタンディは、夜間のコンディションが19号車が主導権を握るきっかけとなったのだと語る。
「コース上で日が暮れ始めると、僕らのマシンのスイッチが入ったようになって、4スティントのタイヤでも高いパフォーマンスをキープすることができるようになったんだ。それが僕たちの勝利の要因だ」
3人のうち最年少のバンバーは、919ハイブリッドの3台目のドライバーとして自身を起用したポルシェに感謝の言葉を述べている。
「僕にとっては驚くべき12カ月になった。12カ月前、僕はドイツでティモ(ベルンハルト)のチームからカレラカップに参戦していたんだ。僕を信じ、ここでレースをする機会を与えてくれたポルシェには本当に感謝しているよ」
「ル・マンでの初戦で優勝するなんて、僕の想像を超えているよ!」