2015年のル・マン24時間の大きなトピックのひとつと言えたニッサンの復帰。公式ポスターの絵柄にも大きく描かれるなど注目の存在だったが、そんなニッサンに熱い声援を送るべく、私設応援団である日産応援団もル・マンに復活を果たした。
スーパーGTでは毎戦グランドスタンドでニッサン系チームのピットの前に陣取り、GT-Rがストレートを通過するたびに大旗を振り、エールを送っている日産応援団。実はその応援団のはじまりは、1996年のル・マン24時間にさかのぼる。
当時、ニッサンはGT-R LMでル・マンに挑んでいたが、その挑戦とともに実施された『クラブ・ル・マン』というファンクラブのツアーに参加していた日産応援団団長の黒澤剛さんが、当時のニスモ難波靖治社長のレース哲学に感動。パーティ会場に貼られていた横断幕を仲間と振るようになったのが応援団の始まりだ。
その頃から昼夜を通じて旗を振り、スタンドから声援を送っていた日産応援団は、現地でも話題になるほどの存在感を放っていた。その後ニッサンはル・マンからは離れ、日産応援団もJGTC/スーパーGTが主戦場となったが、日産応援団はGTの舞台に“応援”という文化を作り、いまやスーパーGTでは他にも多数の応援団が作られるほどのメジャーな存在となった。
そんな日産応援団が、ニッサンのル・マン復帰にあわせサルト・サーキットに戻ってきた。今回は『クラブ・ル・マン』が名を変えた『クラブニスモ』が16年ぶりにル・マン観戦ツアーを実施。11人のメンバーが集まった。
応援団は他のツアーの参加者とともに、パレードの沿道から声援を送るなど熱い応援を実施。予選、決勝とニッサンのピットの前に陣取りふだんスーパーGTで使っている応援フラッグを掲揚した。さすがに国内のサーキットとは勝手が異なり、現地のファンも多いため通過するたびに旗を振ることはできなかったが、ニッサンGT-R LMニスモが走り続ける限り旗を降ろすことなく、デビュー戦で苦しい戦いを強いられたチームにエールを送り続けた。
残念ながら以前ル・マンに日産応援団が来ていた時のような強さを見せることができなかったニッサンだが、フラッグを掲げ続けた日産応援団はスタンドに鮮烈な印象を残したはずだ。