第83回ル・マン24時間耐久レースはスタートから8時間が経過した。上位陣にも少しずつアクシデントが出はじめているが、ポルシェとアウディの争いは依然として秒差の争いが続いている。
スタート直後から、ポルシェの3台とアウディの3台が熾烈な上位争いを展開している2015年のル・マン24時間耐久レース。その争いはスタートから8時間を経過しても、いまだに上位5台が1分程度の差に収まる争いとなっている。
一方ちょうど20時を迎えたところで、それまで7番手で順調に走行を続けていた1号車トヨタTS040ハイブリッドが、アンソニー・デイビッドソンのドライブ中に左フロントを破損し緊急ガレージイン。サスペンションも含めた修理に15分ほどの時間を擁してしまう。1号車はその後中嶋一貴に交代しピットアウトした。
また、ニッサンGT-R LMニスモ勢もトラブルが相次ぐ。21号車、23号車ともに“アキレス腱”とも言えるブレーキ周辺を修復するためガレージイン。21号車は松田次生も乗り込みピットアウトを果たすも、今度はギアボックスとサスペンションの修復のため再度ピットへ。23号車もかなり長めのストップとなってしまった。
上位陣では22時4分、4番手を走行していたポールシッターの18号車ポルシェ919ハイブリッドにアクシデントが起きる。ロマン・デュマのスティント終了直前にミュルサンヌをハイスピードで直進してしまい、タイヤバリアにクラッシュ。ただ、デュマはピットに戻りメカニックはピットレーン上で修復。なんと1分30秒ほどでマシンを送り出してしまう。LMP1-Hに参戦しているドイツ勢と日本勢で、アクシデント/トラブルの明暗が分かれはじめる形となった。
そんな中、22時41分にミュルサンヌでLMP2クラスの3番手を走行していた36号車アルピーヌA450B・ニッサンがクラッシュ。この回収のために、レーススタート以来3回目のセーフティカーが出動した。これでふたたびLMP1は上位が接近。8時間を終えトップを争うのは、9号車、7号車アウディ、17号車、19号車ポルシェというところ。18号車はクラッシュの影響もあり5番手だが、充分に逆転可能な範囲。8号車アウディも1周遅れながらハイペースで周回を重ねている。
トヨタ勢は2号車が約2周差で7番手。1号車がさらに約4周遅れで8番手となっている。LMP2クラスは、依然として47号車KCMGが首位をキープ。2番手にはティリエ・バイ・TDSレーシングの46号車が同一周回で続いている。
一方LM-GTEプロクラスは依然として僅差の争い。64号車シボレー・コルベットC7Rと、99号車、97号車という2台のアストンマーチンが同一周回で争っている。