2015年06月12日 19:51 弁護士ドットコム
公明党の山口那津男代表は6月12日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。集団的自衛権の行使容認などを盛り込んだ安保関連法案をめぐり、国会に参考人で呼ばれた憲法学者3人が「違憲だ」と指摘したことについて、山口代表は「謙虚に参考にする」と述べる一方、「国会や政府が自衛権のあり方を決めていく」と強調した。
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この日の会見冒頭、弁護士でもある山口代表は、戦争放棄や戦力不保持をさだめた憲法9条の解釈について、次のように説明した。
「一見、非武装を規定しているように読めるが、憲法全文で、平和に生存する権利を示し、13条で、政府や国会は、国民の人権に対して国政上最大の尊重を要すると規定している。
国民の人権を最も奪うのは、日本に対する武力攻撃だ。それを排除するための必要最小限の自衛力を持つことは許される」
山口代表はそのうえで、「他国に対する攻撃がきっかけだったとしても、日本に対する攻撃と同様に、国民に深刻・重大な被害をもたらすものであれば、日本は武力行使で反撃できる」と述べ、集団的自衛権が限定的に認められると強調した。
一方で、6月4日に開かれた衆議院の憲法審査会では、与党側が参考人として招いた長谷部恭男・早稲田大学教授を含む憲法学者3人全員が、この案を「憲法違反だ」という認識を示した。会見でも、山口代表に対して、改めて見解を求める質問があった。
山口代表は、憲法学者からの「違憲」という指摘を「謙虚に参考にしなければならない」と回答。一方で、「憲法に基づいて、国会や政府が、自衛権のあり方、国際貢献のあり方を決めていかなければならない」という姿勢を示した。
また外国人記者から、同法案を今国会で成立させる必要性について問われると、山口代表は「政府・与党は、国民の理解を得られる確信をもって法案を提出した、今国会で成立させる責任がある。丁寧に説明を尽くして、国民に理解してもらう」と述べた。
さらに、「説明すれば説明するほど、かえって国民が混乱するネガティブ効果があるのではないか」と問われると、山口代表は「報道されたり、議論になっているのは、部分的な観点で、そこが過大に表現されている」と述べ、安保関連法案をめぐる政府・与党への批判に釘を差した。
(弁護士ドットコムニュース)