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ナオト・インティライミはなぜ愛される? “太陽のお祭り男”のアーティスト性に迫る

2015年06月12日 12:11  リアルサウンド

リアルサウンド

ナオト・インティライミ『THE BEST!』初回限定盤

 ナオト・インティライミが6月10日、デビュー5周年を記念した初のベストアルバム『THE BEST!』をリリースした。本作には1stシングルの「カーニバる?」から、4月にリリースされた最新シングル「いつかきっと」まで15曲を収録。ミリオンダウンロードを記録した「今のキミを忘れない」「タカラモノ ~この声がなくなるまで~」など、いずれも劣らぬ人気曲がラインナップされている。


 あらためてヒット曲を並べて聴いてみると、中毒性のあるEDM系のアッパーチューンから、哀愁のあるメロウなバラードまで、作風は幅広い。しかしいずれの曲も、人への優しさに溢れ、時に熱くリスナーを鼓舞しながら、心に寄り添ってくれる作品であることが伝わってくる。実直で陽気――愛すべき人間性がにじみ出ており、CM、ドラマと、多くのタイアップに恵まれているのも納得だ。


 彼の“愛されっぷり”は、今回のリリースに合わせて展開中の特別企画にも表れている。「ナオト・イン○○企画 ~あなたのこころにもきっとインする~」と題し、思い思いの場所やモノと、ナオトの写真をコラージュして、TwitterなどSNSに投稿する…という内容の企画で、ハッシュタグ「#ナオトインXX」をチェックしてみると、これがなかなかの力作ぞろい。“ナオト・インティライミが、ファンにとってどんなアーティストなのか”ということが伝わってきて面白い。


 象徴的なのは、著名人のコラージュ画像としてそれほど多く見かけない「食べ物」との組み合わせが多く見られること。おにぎりにラーメン、たこ焼き、パフェなどなど。「食べちゃいたインティライミ♡」とかわいらしいメッセージが添えられた写真もあったが、シャツのポケットに“イン”してみたり、コーヒーカップに入れてみたり、何気ない日常を楽しく彩ってくれるアーティストとして受け入れられているように思える。


 また、「太陽のお祭り男=インティライミ」らしく、燦々と照りつける太陽と重ねたり、青い空や海などの大自然と合わせた画像も多数。「The World is ours!」では<まだこんな僕だけど いつの日にか あなたを照らすLight ヒカリになりたい>と歌った彼だが、ファンにとってはまさに明るく、あたたかな光のような存在になっているようだ。世界を一周しながら各地でライブ活動を行ったというエピソードからか、海外の景勝地や“地球(地球儀)”など、ワールドワイドなコラボレーションも見られた。
 
 そしてリリース日の6月10日より、テレビCMもオンエア中だ。その内容もSNS企画と重なるもので、堤真一のシャツの中からナオトが「タカラモノ ~この声がなくなるまで~」を歌いながら登場し、無理やりボタンを閉められてしまう「堤真一編(ナオト・インシンイチ)」、尾野真千子が急にYシャツのボタンを外したと思ったら、胸の中からナオトが「恋する季節」を歌いながら登場する「尾野真千子編(ナオト・インマチコ)」の2パターンで展開。ツイッター上でも「ナオト ベストアルバムのCM おもろすぎじゃろ!!」「ナオトCM最高」と、早くも評判になっている。


 それにしてもこのCM、ファンが作るコラージュ写真と比較しても、よりコミカルで“遊んだ”印象がある。ベストアルバムのリリースという節目に、自分を素材にして遊んでしまえるナオト・インティライミ。名曲を振り返りつつ、愛されキャラとしてのさらなる進化に期待してしまう、さすがのアニバーサリー企画だった。(文=橋川良寛)