マクラーレンのCOOであるジョナサン・ニールは、カナダGP決勝中にチームの指示に抵抗したフェルナンド・アロンソを叱るつもりはなく、むしろ「脱帽した」と語った。
アロンソは13番グリッドからスタートし、スタートで11位にポジションを上げたが、その後、速さで優るマシンに抜かれていくことになった。しかし彼は、精いっぱいディフェンスに努めたこの時のバトルは楽しかったと言い、フェラーリのセバスチャン・ベッテルと戦った1周半が自分にとっては今回のレースの中のハイライトだったと述べていた。
チームは序盤から再三にわたってアロンソに対し燃料をセーブするよう指示したが、アロンソは無線で「いやだ。そんな風に走っていたらアマチュアのように見える」と答えた。
レース後、アロンソはこの発言について次のように説明している。
「あの時はバトルをしながら、燃料をセーブし、タイヤを労わりながら走っていた。3回か4回(燃料をセーブするよう)指示された後、僕は答えた。『まずはレースをさせてくれ。今は他のマシンと戦っているところで、闘志に燃えている。終盤になったら単独で走ることになるだろうから、その時に燃料をセーブしよう』とね」
「バトルの最中には燃料(節約)は最優先事項ではない。燃料のことを優先する時間はその後にあった。(バトルしている間は)レースをさせてくれ。そうしたらその後、燃料をセーブするから」
チームは指示に素直に従おうとしなかったアロンソを叱責するつもりかというMirror Sportの問いに対し、ニールは「それは全くない。私は彼のああいう態度が好きだ」と答えた。
「我々はドライバーのレベルを下げるようなことはしない。フェルナンドは素晴らしい。抜群のドライバーだ。彼が本音を語りたがっているときには、それを止めるつもりはない。本音を語ってもらうために彼を雇ったのだ」
「普通の人間では進歩を成し遂げることはできないと私は考えている。だからドライバーたちに分別のある普通の人間であってほしいなどとは思っていない」
「彼はコース上で何かを成し遂げようとしていた。実際データを見て、フェルナンドには脱帽した。あの時プッシュし続けたのは正しかったのだ」
「あれはドライバーの判断だった。だがテレビ放送においても素晴らしいショーを提供したといえるだろう」
「ドライバーがあまりにもチームのいいなりに動きすぎるのはいいことだとは思わないし、我々はそれを彼らに望んではいない。自分を持っていてほしいのだ」
カナダGPでアロンソとジェンソン・バトンは結局エキゾーストトラブルのために共にリタイアに終わっている。