第83回ル・マン24時間耐久レースは11日、現地時間21時30分から2時間半の予選3回目が行われ、ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リエブ組18号車ポルシェ919ハイブリッドがポールポジションを決めた。
予選2回目が赤旗により多くの時間を残して終了となったため、急遽予定を繰り上げ21時30分からスタートした予選3回目。日没の時間を迎え気温が下がるため、例年ならば苛烈なアタック合戦が展開されるセッションだが、各陣営とも淡々とコースオープンから走行を重ねていった。
そんな中、タイムアップを果たしたのはこの日順調にプログラムをこなしているニッサンGT-R LMニスモ勢。LMP1-Hの最上位とは20秒近いタイム差があるものの、23号車が12番手に浮上。また、ルーカス・オルドネスのドライブで21号車が大幅にタイムアップ。総合14番手に浮上した。
セッション終盤に向け、アタックが展開されていくのか大いに注目が集まる予選3回目だったが、23時5分過ぎに赤旗が提示される。LM-GTEアマクラスに参戦する台湾のチームAAIの67号車ポルシェ911 GT3 RSRがダンロップブリッジを過ぎたあたりから白煙が上がり、ユノディエールの第1シケイン手前で炎上したためだ。
この消火とオイル処理のために長めの赤旗が提示されたが、23時30分にセッション再開。ただ、再開後もイエローフラッグによるスローゾーンが数多く出たことやトラフィックのため、各陣営ともなかなかタイムを上げることができず。アウディ勢も残り10分を切ってタイヤ交換を行いピットアウトしたが、最終的に予選1回目のコースオープン直後にマークされたポルシェ勢のタイムを上回ることはできず。24時、2日間に渡る予選にチェッカーが振られた。
2015年のル・マン24時間のポールポジションを獲得したのは、18号車ポルシェ。ジャニがマークした3分16秒887というタイムが最終的にポールタイムとなった。2番手には17号車ポルシェ、3番手には19号車がつけ、ポルシェがトップ3を占めた。
4番手~6番手はアウディ勢が占めることに。最速となったのは8号車で、5番手に7号車、6番手に9号車という結果に。トヨタTS040ハイブリッド勢は2号車が7番手、中嶋一貴が乗り込む1号車が8番手という結果となった。ただポルシェの予選上位独占はある意味で想定どおりの結果であり、アウディ、トヨタの両陣営はこの2日間の予選で決勝ペースのための作業に終始。決勝ではどんな結果となるかはまだまったく想像がつかない。
ニッサンGT-R LMニスモ勢は、終盤に22号車がハリー・ティンクネルのドライブでタイムを上げ、12番手を獲得。23号車が13番手となった。最後は松田次生がふたたびアタックを担った21号車だったが、トラフィックやイエローの影響もありタイムアップならず。クラス14番手となった。
LMP2クラスは、マシュー・ホーソン/リチャード・ブラッドレー/ニコラス・ラピエール組KCMGの47号車オレカ05・ニッサンがポールポジションを獲得。G-ドライブ・レーシングの26号車リジェJS P2ニッサンが2番手、グリーブス・モータースポーツの41号車ギブソン015S・ニッサンが3番手と、異なる3マニュファクチャラーのマシンがトップ3となった。
4メーカーの争いとなるLM-GTEプロクラスは、フェルナンド・リース/アレックス・マクドゥエル/リッチー・スタナウェイ組99号車アストンマーチン・バンテージがポールポジションを獲得。51号車フェラーリ458が2番手、97号車アストンマーチンが3番手という結果となった。