第83回ル・マン24時間耐久レースは11日、現地時間19時から2時間の予選2回目が行われ、途中コルベットのクラッシュによりセッションは赤旗のまま終了。トップ3は予選1回目でマークされたポルシェのまま変わっていない。
予選1日目から一夜明け、迎えたル・マン24時間の走行2日目。この日のル・マンは朝から晴天に恵まれかなり気温が上がったが、夕刻になり一時にわか雨も舞った。天気予報では予選2回目開始となる19時頃からは雷雨の予報も出ていたが、幸い晴天に恵まれ走行がスタートした。
ただこの日は気温も高く、序盤は各チーム着々と決勝に向けたメニューをこなしていくことに。この中でタイムアップしたのは、アンドレ・ロッテラーがアタックした7号車アウディR18 e-トロン・クワトロで、ポジションをひとつ上げた。
一方で、クラッシュも発生する。ドミニク・クライハマーがドライブしていた13号車レベリオンR-Oneが第一シケインでクラッシュ。また、開始から42分というところで、LM-GTEアマクラスの55号車フェラーリ458がコースアウトし、このセッション一度目の赤旗が提示された。
LMP1-Hでは、初日から圧倒的なスピードを誇るポルシェ勢に対し、アウディ、トヨタは予選の時間を使って決勝レースに向けたタイヤの評価等を着実に進めていくことに。また、初日にいくつかトラブルが発生したニッサンGT-R LMニスモ勢だが、この日はトラブルシュートも終え着実に走行を重ねている。
そんなニッサン勢では、松田次生が乗り込む21号車がタイムを上げていった。次生によれば、初日のアタックは「とにかくクルマが壊せないので、まだ6割程度。セットアップもまだ進んでいない状態」だったが、次生が中心となってセットを進め、この日は次生がセットを確認した後、まだ予選の周回数をこなせていなかったルーカス・オルドネス、マーク・シュルツイスキーにステアリングを託している。
その後も各チームがプログラムをこないていたが、開始から1時間半というところで、ヤン・マグヌッセンがドライブしていた63号車シボレー・コルベットC7Rが、ポルシェカーブ先で姿勢を乱し激しくガードレールにクラッシュした後、コース反対側のウォールにヒット。このセッション2回目の赤旗となってしまった。
幸いマグヌッセンは意識があり、自らコクピット内でヘルメットを外したが、脊椎パッドを使用してメディカルチームにより救出する作業が行われるとともに、ガードレールの補修作業がスタートした。
ただこの作業には時間がかかり、21時直前の時点で予選2回目は残り42分ほどの時間を残したまま、赤旗で終了することになった。代わって予選3回目が当初予定の22時スタートから、21時半スタートに繰り上げられ、30分延長されている。
ル・マン24時間は予選1回目から3回目までのトータルのタイムで争われるため、予選2回目では1回目にマークされたポルシェ勢のタイムを上回るマシンは現れず、現在もまだポルシェ勢がトップ3を占めたまま。気温が下がる予選3回目で、タイムがどう変化するのかが注目される。