ル・マン24時間を運営するACOフランス西部自動車クラブは11日、サルト・サーキット内でプレスカンファレンスを開催し、LM-GTEクラスのテクニカルレギュレーションについて、GT3との差別化を図る方向で変更すると発表した。
ル・マンをはじめとするWEC世界耐久選手権やヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)、アジアン・ル・マン・シリーズ(AsLMS)、北米のユナイテッド・スポーツカーで活用することができるGTE車両は、もともとGT2クラスをルーツにもち、ポルシェ911 RSRやフェラーリ458、シボレー・コルベット、アストンマーチン・バンテージ、BMW Z4等の車両が存在する。
ただ近年、カスタマーGTレース用の車両であるFIA-GT3とパフォーマンスが接近しており、ELMSやAsLMSではGTクラス車両としてGT3の参戦も可能に。一時はGT3とGTEの統合についてACOとFIAの間で協議が行われたが、GT3を主体となって運営するSROの反発により実現はしなかった。
そんなGTEカテゴリーの将来に向けて、ACOはル・マン24時間のレースウイークにあたる11日に行われたプレスカンファレンスで、GTEの2016年からの新レギュレーションについて発表した。新レギュレーションは2016年1月から発効する予定で、従来のGTEよりもパフォーマンスアップが図られ、GT3と区別されるという。また、安全性の向上やコスト抑制のための3年間のレギュレーション固定化が発表されている。
ただ、エントラントのために従来のGTE車両も活用が可能となっており、移行は2016年から18年までの3年間を使って行われる。参戦可能レースは下記のとおりだ。
WEC世界耐久選手権/ル・マン24時間
2016年:GTEプロは新規定/旧規定とも参加化。GTEアマは旧規定
2017年:GTEプロは新規定のみ。GTEアマは新規定/旧規定とも参加化
2018年:GTEプロ/アマとも新規定車両
ELMS/AsLMS
2016年:GTEプロ/アマとも旧規定車両
2017年:GTEプロ/アマとも両規定の車両が参加可能
2018年:GTEプロ/アマとも新規定車両