第83回ル・マン24時間耐久レースは10日、4時間のフリープラクティスが行われ、17号車ポルシェ919ハイブリッドがトップタイムをマーク。ポルシェ、アウディ勢が上位を占めた。
テストデー、車検を経て、いよいよル・マン24時間耐久レースの走行がスタートした。初日となる10日は、4時間のプラクティス、そして2時間の予選というスケジュール。前日までは晴天に恵まれていたル・マンだったが、この日は朝から曇天模様。昼過ぎからは雨も降り出し、現地時間16時からのプラクティスはウエットコンディションでスタートした。
ただ路面状況もあってか、開始からわずか6分というところでLMP2クラスの47号車オレカ05・ニッサンがフォルツァ・モータースポーツシケインでストップしたため、早々に赤旗が提示される。車両回収の後はコンディションも好転しはじめ、タイムも向上。LMP1-Hクラスはアウディ、ポルシェ、トヨタの3ワークスが着々とタイムを削りはじめた。
一方、今回がデビュー戦となる3台のニッサンGT-R LMニスモは、序盤からトラブルが多く発生しているようで、ピットに戻るシーンが多く見られた。ただ3台のうち、松田次生がステアリングを握りコースインした21号車は、3台の中で最初にタイムをマーク。その後も3台をリードする形でセッションを進めていった。
1回目の赤旗後は順調に推移していたセッションだが、開始から1時間というところでコース上にふたたび雨が降り始めた。コンディションの変化をみるためかしばらく走行が小康状態に。ただ変わりやすいコンディションは続き、その後雨は止み、ふたたびタイムが削られていくことに。LMP1-Hでは、途中19号車が第一シケインでコースアウトするシーンもあったものの、大方の予想どおりポルシェ勢が上位タイムを占めはじめる。
各陣営がプログラムをこなしていく中で、セッション残り1時間45分というところでは、LMP2クラスの48号車オレカ03R・ニッサンがクラッシュ。この車両回収のために2回目の赤旗が提示された。ただ、この赤旗はガードレール修復のためかなり長引き、残り1時間というタイミングでようやく再開となった。
セッション終盤に向け、各陣営では予選に向けタイムを上げていこうかという状況だったが、それに水を差すように残り50分あたりから再び雨が降り始め、各車インターミディエイトを装着することに。しかし再び終盤コンディションが乾いていき、残り22分というところでまたもタイムが上がっていくことになった。
最終的にこのセッションのトップタイムは、チェッカー間際にタイムを上げた18号車ポルシェ919ハイブリッドの3分21秒164というタイムをマークするも、このタイムがシケインをショートカットしていたため、17号車ポルシェの3分21秒362がトップタイムに。2番手は最後に雨が降り出す前にロイック・デュバルがマークした8号車アウディR18 e-トロン・クワトロの3分21秒950というタイムとなった。3番手は18号車ポルシェのセカンドベストタイムに。4番手は19号車ポルシェが続き、以下7号車アウディ、9号車アウディとポルシェ、アウディが上位を占めた。
悲願のル・マン制覇を狙うトヨタTS040ハイブリッド勢は、着実にプログラムをこなし1号車が7番手、2号車が8番手に。WEC第2戦スパで負傷した中嶋一貴も、無事にドライブを果たしている。ニッサンGT-R LMニスモ勢は21号車が12番手、23号車が13番手、22号車が14番手という結果となった。
LMP2クラスでは、1回目の赤旗の原因となったKCMGの47号車がその後大きなダメージもなく走行し、このクラスのトップタイムをマーク。今季も4メーカーが揃うLM-GTEプロクラスは99号車アストンマーチンがトップタイム。2番手には64号車シボレー・コルベットが続いている。