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創業11年目を迎えたオトバンク 日本最大の「オーディオブック」配信サービスを運営

2015年06月10日 11:00  キャリコネニュース

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欧米では人気のある「オーディオブック」を日本に持ち込み、2004年に創業したオトバンク。当初は聴く人も少なかったが、スマートフォンの普及が追い風となり、市場が成長しつつある。今年になって大手出版社との協議会も発足した。

創業者の上田渉氏は、かつて音読を中心とした勉強法で志望校に合格。失明して本が読めなくなった祖父の影響もあり、本を音声にして多くの人に届けたいと志した。2012年には当時29歳の後輩に社長を譲り会長に就任している。広報の中川さんに、会社のいまをレポートしてもらった。

声優やナレーターの朗読により「本を音声化」

突然ですが、みなさん月にどれくらい読書をしていますか? 文化庁の「国語に関する世論調査」(平成25年度)によると、月に1、2冊読む人が34.5%、全く読まない人が47.5%。

うう、みなさん本が嫌いになってしまったのでしょうか…。実はそんなこともなさそうです。読書量が減っている理由として、51.2%の人が「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」と回答。40代以下の8割以上が「読書量を増やしたい」と感じているそうです。

なるほど、忙しい日本人は「本を読みたい、けれど時間がなくて読めない」というモヤモヤを感じながら日々過ごしているようですね。

前置きが長くなりましたが、当社は本をプロの声優やナレーターの朗読により音声にした「オーディオブック」の制作・配信を行う会社です。小説などだと、複数のキャストを起用したドラマ形式のこともあります。

2007年から"Feel, enjoy, By ear"の頭文字を取った「FeBe(フィービー)」という日本最大のオーディオブック配信サービスを運営しています。オーディオブックは、まさに「忙しくて本が読めない」みなさんの強い味方です。

音楽を聴くように気軽に本が読めるので、通勤中や運転中、ランニング中といった耳のスキマ時間が読書の時間に早変わり。長距離高速バスや国際線の飛行機にもオーディオブックを提供しているので、聴いたことがある方がいらっしゃるかもしれません。

今年4月に「オーディオブック協議会」設立

実はオーディオブック、欧米ではかなり一般的なもの。米グラミー賞にはオーディオブック部門がありますし、ドイツでは書店や薬局、家電量販店でも手に入るほどです。しかし日本は電車移動が主流でカセットの持ち運びが困難だったことや、作品の数が少なく著作権切れの文芸作品しかなかったことから、浸透するには至りませんでした。

こうした背景もあり、2004年に「緑内障で失明していた祖父のような方の役に立てるサービスを創りたい」という想いとともに、創業者で現会長の上田渉が創業しました。

当時は皆無だった国内市場も10年以上が経ち、スマートフォンの普及などの追い風も受け、FeBeは現在会員数12万人、作品数1万以上のサービスへと成長しました。今年の4月には新潮社や講談社、カドカワなどの大手出版社と一緒に「オーディオブック協議会」を設立し、本格的に作品数の増加や市場の拡大を進めていく体制も整いつつあります。

また当社はオーディオブック事業以外にも出版業界を盛り上げるべく、さまざまな取り組みを行っています。書籍紹介サービス「新刊JP」では、本にまつわるニュースやインターネットラジオを配信中です。

今年の1月からは、ダンサーのASUKAさんと声優の優月心菜さんが“ブックアイドル”として本に関するトークを繰り広げる「ASUKAと心菜の『明日からココナッツ書店』(営業中)」という新番組も始まりました。

社長は32歳、「世界最速の社長」目指す

ちなみに、当社社長の久保田裕也(32)は「世界最速の社長」の異名を持つほどのアスリート。小さい頃から足が遅く太っていたのがコンプレックスでしたが、3年ほど前から本気でランニングに取り組んでいます。

今ではフルマラソン2時間42分、100キロマラソン走破などの記録を持っています。久保田も日々の経営者としての仕事に全力で取り組みながら、時間を捻出して情報収集やランニングの時間を確保しています。

新卒でオトバンクに入社し、必死で実力をつけ、一社員から数年で社長になった久保田。常に「不可能なことなんてなにもない、努力は必ず報われる」と、背中で示してくれている気がします。

読書はじっくり腰を据えてするもの、という固定概念を覆し、アクティブにも読書を楽しめる社会の実現に向けて、自分と仲間、会社を信じて、これからも駆け抜けていきます!

【プロフィール】オトバンク広報 中川 真実:1987年生まれ。東京都出身。大学では社会福祉を専攻し、新卒でオトバンクに入社。以降5年間広報を担当し、現在はチームリーダーを務める。ベンチャー企業の魅力を日々PRする「なでしこ広報会」(主宰:栗田朋一・東京PRアカデミー代表)に参加している。

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