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客と店舗つなぐ"次世代アプリ"提供へ スタイラーがサイバーエージェント・ベンチャーズから資金調達

2015年06月10日 10:02  Fashionsnap.com

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スタイラー株式会社 小関翼CEO Image by: Fashionsnap.com
ファッション×ITのスタートアップ企業スタイラーが、サイバーエージェント・ベンチャーズを引受先に第三者割当増資を実施した。オンラインから実店舗に送客するO2Oスマートフォンアプリ「STYLER」のオープンベータテストを夏頃から実行する。同社CEOの小関翼氏は「ファッションを通じてコミュニケーションをとる(次世代のSNSのような)ツールを形成することで、ファッションに対する敷居を下げていきたい」という。調達額は非公開。

「次世代のファッションコミュニティツール」とは?の画像を拡大

 「STYLER」は、ファッションアイテムを購入したいユーザーと販売店舗をマッチングさせるファッションアプリ。「気軽に使えるように」との考えからSNS感覚のプラットフォームを形成し、ユーザーが抱える抽象的な悩みをチャット形式でショップに相談できる場を提供する。ショップ側はその依頼に対し、自社で取り扱うアイテムの情報を提案として返信。ユーザーが提案を見て欲しいアイテムを見つけた場合は、ショップと直接メッセージを交換し、実店舗やECサイトで該当商品を購入できるようにする。依頼内容と提案は他のユーザーから閲覧することも可能で、「(同じようなニーズを抱える人などに)波及することでPR効果も期待できる」という。アプリ公開直後はメンズ向けのサービスに特化し、登録ショップは都心部を中心に厳選した20~30店舗を予定。大手のほか、「ファッション初心者では見つけにくいような」新進系のショップが参加し、年内にはウィメンズやキッズにもサービスを拡大することで、サービス開始から1年後の登録ショップ数は約200店舗を見込む。
 最近ではスタイリストがユーザーのファッションに関する悩みに対応するマッチングサービスもあるが、小関氏は「依頼の数だけスタイリストを雇う人件費が必要になる。普段から接客しているショップが提案すれば(直接の購入につながるという)インセンティブもあるので、人件費等の費用を抑えることができ、ファッション業界で働く人とユーザーのコミュニティを築いていくことができる」と分析。また「STYLER」では顧客情報を管理するデータベース(CRM機能)の実装を予定しており、「顧客の嗜好などのデータを、オンラインとオフライン共通で一元的に管理できるプラットホームを作り、店舗と共有していくことで、ファッション業界の潤いにつながれば」と展望を述べた。