2017年F1に決勝中の給油を復活させるというプランに関し、カナダGPで再度話し合いがなされた結果、全チームが反対の意向を示したことが明らかになった。
5月14日に開催されたストラテジーグループ会合でF1のショー的要素を向上させるための提案について協議した後、FIAは2017年にはF1マシンのスピードを5秒から6秒アップさせることを目指すと発表するとともに、レース中の給油の復活に関して合意に達したことも明らかにした。
しかしストラテジーグループ会合の後、各チームが詳細な調査を行った結果、再給油復活にはメリットが欠けているとの結論に至ったという。
カナダGPの週末に各チームマネージャーたちとFIAレースディレクターのチャーリー・ホワイティングがミーティングを行い、この際にチーム側はプラスの要素が見当たらないという意見を示した。
再給油は2009年を最後に廃止されたが、その後、コース上のオーバーテイクは増えており、チームは分析の結果、再給油復活はショーを向上させるという面でメリットにつながらないと主張した。
再給油が廃止された大きな理由のひとつは、給油装置の輸送にかかる多額の費用を削減することだった。現在のF1はコストの抑制に努めており、給油復活はその方向性にも反すると考えられており、安全面の懸念もある。
「誰が見たって成功の見込みがないことは明らかだ」とあるF1関係者は発言している。
ホワイティングはチームの分析結果をストラテジーグループに報告し、このプランを先に進めるかどうかを再度協議することになるが、チーム側が反対している以上、給油復活案が実行に移される可能性は低いとみられる。
しかしカナダGPを訪れたフェラーリ会長セルジオ・マルキオンネは、廃案にする前にもう少し検討すべきであると主張している。