カナダGPでマクラーレン・ホンダは速さも信頼性も示すことができなかったものの、フェルナンド・アロンソはチームの新プロジェクトへの信頼を失っていないと語った。しかしマクラーレンは早急に改善を果たさなければならないことを承知している。
カナダGPでマクラーレン・ホンダの2台は共にエンジン交換を強いられた上に、決勝中にエキゾースト関係のトラブルが発生、リタイアする結果に終わった。
アロンソはこれで6戦中4戦でトラブルによりリタイアを喫しており、第7戦終了時にノーポイントなのはアロンソとマノーのふたりのみとなっている。
元F1ドライバーのマーティン・ブランドルはSky Sportsのコラムにおいて、マクラーレン・ホンダの低迷に大きな懸念を示している。
「準備する時間が十分なかったとはいえ、あれだけの設備を持ったホンダが、パワー、信頼性、燃費のすべてにおいて劣ったエンジンしか作れなかったことに非常に驚いている」
「普通に考えればそのうちひとつはうまくやれるはずだが。彼らが何をしているのか私には分からない」
「何をすべきなのか彼らは分かっているのだろうか。それが気がかりだ」
カナダGP決勝後、アロンソは、マクラーレン・ホンダの将来性を信じる気持ちを失ってはいないと述べた。
「新しいチームであり、斬新なテクノロジーを採用し、マシンデザインにアグレッシブなアプローチを用いている。その結果、今のような状況になっているだけの話だ」
「時間はかかるが、いつかメルセデスを倒すにはこうするしかない」
決勝中、燃料をセーブして走るようにというチームの指示に抵抗したことに注目が集まったが、それについてアロンソは次のように述べている。
「別にいらだちはない。あの時はバトルをしながら、燃料をセーブし、タイヤを労わりながら走っていた。3回か4回(燃料をセーブするよう)指示された後、僕は答えた。『まずはレースをさせてくれ。今は他のマシンと戦っているところで、闘志に燃えている。終盤になったら単独で走ることになるだろうから、その時に燃料をセーブしよう』とね」
「僕らは現状を把握している。この状況を変えるために、これまで以上に努力しなければならない。ポジティブな兆候を確認している。すべてが理にかなった方向に進むはずだ」
レーシングディレクターのエリック・ブーリエは、現時点ではアロンソに大きな不満は見られないものの、チームは今年中に状況を大きく改善する必要があると認めた。
「来年もこのままだったら、フェルナンドは激怒するだろう。だが現時点では彼は自分がいるこのチームに満足している」とブーリエはThe Daily Telegraphに対して語った。
ブーリエは、ホンダの開発を助けるためにマクラーレンのリソースをより一層活用していくつもりであると明かしている。