2015年06月08日 16:41 弁護士ドットコム
電車の運転士に熱中症とみられる症状が相次いだため、JR東海が乗務中に水分を補給した際に義務づけていた報告を不要にしたことが、朝日新聞デジタルに「運転士、水飲んでも報告不要!」の見出しで報じられた。この記事に対して、ネットでは「なぜ報告が必要だったのか」「信じられない」と驚きの声があがっている。
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どんなルールだったのか、弁護士ドットコムニュースはJR東海に取材した。JR東海の広報担当者によると、報じられている通り、これまで運転士は、停車中の水分補給自体は認められているが、水分補給をした場合には、報告するルールになっていた。なぜルールが設けられたのかを尋ねたところ、「水分補給だけが特別に報告義務があったわけではない」との答えが返ってきた。
JR東海には、運転士が業務中に「通常とは異なる取り扱い」を行った場合、運転士に報告義務を課しており、水分補給もその1つだという。「通常とは異なる取り扱い」は他にどのようなものがあるのかを尋ねたところ、「車両が故障した場合」「車両が小動物と衝突した場合」などがあるそうだが、水分補給と同列に並べてもいいのか、疑問も残った。
水を飲んだ場合は、事前もしくは事後に無線で司令部に報告し、その後、業務日誌のような形で、分量にして1~2行の報告をおこなっていたという。
JR東海によると、「これまでも水分補給自体が制限されていたわけではないが、乗務員がより水分補給しやすい環境を整えるために、規定を改定した」と話していた。
他の鉄道会社では、どうなっているのか気になったので、JR東日本に確認したところ、「そうしたルールを設けてはいない」との回答だった。
JR西日本も、水分補給について、特にルールは設けていないという。担当者は「ただ、電車を運行中に水分補給をすることは事実上難しいのではないか。水分補給ができるように、適切なタイミングで休憩がとれるようにしている」と話していた。
(弁護士ドットコムニュース)