2015年F1第7戦カナダGPの土曜フリー走行は、メルセデスのニコ・ロズベルグがトップタイムをマークした。
快晴に恵まれた土曜日のモントリオールは、午前10時(現地時間)から予選前最後となるフリー走行が行われた。
各チームはこの60分で午後の予選に向けてセットアップ作業を進めるとともに、前日の雨でこなしきれなかったスーパーソフトでのロングランに取り組むなど慌しいセッションとなるはずだったが、終盤2度にわたって赤旗が出されたため、多くのドライバーは最後の予選シミュレーションを行うことができなかった。
最初に赤旗が出たのは残り20分のタイミング。ザウバーのフェリペ・ナッセがタイヤを温めるようとバックストレートでウェービングを行ったところ、グリップを失って挙動を乱してしまい、イン側のウォールに激しくヒット。幸いナッセは無事だったが、このクラッシュで彼のC34は大きなダメージを負い、コース上にもパーツの破片が散乱。10分近くにわたってセッションが中断することとなった。
その後、残り12分でセッションが再開すると、そこから各車はスーパーソフトでの予選シミュレーションに向かい、早々とアタックに入ったロズベルグが1分15秒660というトップタイムを記録。フェラーリのキミ・ライコネンとロータスのロマン・グロージャンも2番手、3番手で続いた。
しかし、残り時間が7分となったところで今度はマクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンが突然コース脇にストップ。ERSのトラブルでマシンを止める指示を受けたバトンは、その場でマシンを降りることになり、セッションも再度中断。結局、残りの時間内でマシンを回収することはできず、そのままFP3は終了となった。
この結果、中盤までライコネンとともにセッションをリードしていたセバスチャン・ベッテルは8番手。後半からプログラムを開始したルイス・ハミルトンに至ってはわずか9周で、一度もまともな計測ができずに最下位でセッションを終えている。
また、FP3を前にパワーユニットのトラブルが発覚したマクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソはユニットの交換作業でセッション終盤まで走れず。なんとか時間内に作業を終わらせコースインこそ果たしたものの、チームメイトの赤旗中断の影響もあり、3周しか走れなかった。
なお、マクラーレン・ホンダのレーシングディレクター、エリック・ブーリエは、トラブルに見舞われたバトンのMP4-30もパワーユニットの交換を示唆している。