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失意を振り払うハミルトン逆襲のV、ウイリアムズが今季初表彰台/F1カナダGP決勝

2015年06月08日 06:30  AUTOSPORT web

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今季4勝目をあげたルイス・ハミルトン(メルセデス)
2015年F1第7戦カナダGPは7日(現地時間)、モントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットで70周の決勝が行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが今季4勝目となる通算37回目のトップチェッカーを受けた。

 失意のモナコから2週間。王者ハミルトンがキャリア初優勝を飾った思い出の地、ジル・ビルヌーブでのチームメイトバトルを制し、その輝きを完全に取り戻した。
 クリーンスタートを決めたポールシッターのハミルトンは、オープニングラップで早くも2番手ニコ・ロズベルグを1秒以上引き離しDRS圏内から抜け出すと、その後も徐々にライバルとの差を広げていき、序盤10周を過ぎる頃にはリードを3秒近くにまで広げ、早々とレースの主導権を握った。

 メルセデス2台の後方には3番手スタートのフェラーリ、キミ・ライコネンが続いたが、戦前メルセデスも警戒していたフェラーリの力強いレースペースは影を潜め、10周目以降は次第にトップ2台から離される展開。その後は単独3番手を走行し、少し間隔を置いてウイリアムズのバルテリ・ボッタスがフェラーリを追いかける構図となった。

 中盤もレースリーダーのハミルトンは順調にトップを走行。20周目以降は、若干ブレーキに懸念が生じ始めたロズベルグとの差を4.5秒まで拡大すると、30周を前にこの日唯一となるピットストップに向かい、翌周ピットインしたロズベルグの前でコースに復帰。その後、ハミルトンは燃費をマネージしながらの走行で一時ロズベルグに1秒近くまで迫られるが、DRS圏内への接近は決して許さず、次第にレースをコントロールしていった。

 一方、3番手を走るライコネンは26周目に1回目のピットインを行ったが、直後の27周目にヘアピンの立ち上がりで痛恨のスピン! すると、それを見たウイリアムズ陣営はすぐさまボッタスをピットに呼び込み、3番手を奪うことに成功。逆にポジションを失ったライコネンは40周目に2回目となるピットストップを行い、スーパーソフトを履いて終盤の逆転にかける作戦を選んだ。

 レースはその後も先頭のハミルトンが2番手ロズベルグを従え、3番手を走るボッタスには30秒以上のギャップを築く隙のないレースを展開。結局、燃費レースでもロズベルグを上回る走りをみせたハミルトンがそのままトップチェッカーを受け、今季4回目となるポール・トゥ・ウインを達成した。
 注目の3位争いは、終盤ライコネンの追い上げを凌ぎ切ったボッタスのものとなり、ウイリアムズは今季初となる表彰台を獲得した。

 5位はフェラーリのセバスチャン・ベッテル。トラブルによる予選Q1敗退とグリッド降格ペナルティで18番手からスタートしたベッテルは、序盤から積極的な走りでポジションを挽回。あわや接触という場面もうまく切り抜け、2ストップ戦略でチームメイトの後ろ、5位でフィニッシュした。
 6位にフェリペ・マッサ。7位にはパストール・マルドナドが入った。ただ、ロータスは終盤まで5番手を走行していたロマン・グロージャンがマノーのウィル・スティーブンスと不用意に絡んでしまい、ペナルティを受けて10位でフィニッシュ。またしても貴重なポイントを取りこぼしている。

 なお、マクラーレン・ホンダはフェルナンド・アロンソが47周、ジェンソン・バトンも57周目にガレージインし、2台揃ってリタイアに終わった。