フォーミュラE決勝で3位フィニッシュを果たしていたe.ダムス・ルノーのセバスチャン・ブエミは、ピットからコースに復帰する際の危険行為を指摘され、レースタイムに29秒加算のペナルティが課せられた。これにより順位が9位へと降格、代わってベンチュリのニック・ハイドフェルドが3位に繰り上がっている。
またしてもフォーミュラEは、レース後にドラマが待っていた。前戦ベルリンePrixでは、トップチェッカーを受けたルーカス・ディ・グラッシ(アウディ・アプト)がレース後に車両規定違反を問われ、レース結果から除外のペナルティを受けたばかり。そして今回はブエミが、ピットイン時の“危険なリリース”により2レースタイムに29秒加算(実際にはドライブスルーペナルティだが、レース後にペナルティが発表されたため、29秒加算となっている)。3番手フィニッシュにもかかわらず、9位に降格の処分と発表されている。
e.ダムス・ルノーは今回、ピットイン時の最低滞在時間を勘違いしている。実際には58秒と規定されていたのに、68秒と思っていたということで、これによりブエミは、ピットストップ時に大幅なタイムロスをしていた。68秒をピットで過ごしたブエミは、ピットロードに出た際にハイドフェルドと並走する形となってしまい、これがペナルティに問われたわけだ。最低滞在時間の“勘違い”がなければ、このペナルティは無かったはずで、ミスがミスを生むという最悪の連鎖が起きてしまった。
FIAはこの決定に対し、本案件はチーム側のミスであり、ドライバーからの抗議を受け付けるとしている。
この降格が確定すれば、ネルソン・ピケJr.の128ポイント、ディ・グラッシの111ポイントに対し、ブエミの獲得ポイントは現時点で105ポイントに留まることになってしまい、チャンピオンシップ争いで非常に厳しい立場に立たされることになった。
なお、当初ファステストラップ獲得と発表されていたジャン-エリック・ベルニュ(アンドレッティ)は、シケイン不通過だったことが発覚し、この記録は抹消。代わってファステストラップポイントはブエミに与えられている。
■フォーミュラE第9戦モスクワePrix決勝結果
1.ネルソン・ピケJr.(ネクストEV TCR)43'18''867
2.ルーカス・ディ・グラッシ(アウディ・アプト)+2''012
3.ニック・ハイドフェルド(ベンチュリ)+11''548
4.ジャン-エリック・ベルニュ(アンドレッティ)+12''416
5.ダニエル・アプト(アウディ・アプト)+25''626
6.サルバドール・デュラン(アムリン・アグリ)+28''960
7.アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(アムリン・アグリ)+30''529
8.ニコラス・プロスト(e.ダムス・ルノー)+31''556
9.セバスチャン・ブエミ(e.ダムス・ルノー)+40''548
10.ジャスティン・ウィルソン(アンドレッティ)+46''320
11.ロイック・デュバル(ドラゴン)+49''763
12.ジェローム・ダンブロジオ(ドラゴン)+51''474
13.カルン・チャンドック(マヒンドラ)+52''493
14.ハイメ・アルグエルスアリ(ヴァージン)+55''810
15.ステファン・サラザン(ベンチュリ)+56''715
16.ブルーノ・セナ(マヒンドラ)+1Lap
17.ビタントニオ・リウッツィ(トゥルーリ)+1Lap
18.ヤルノ・トゥルーリ(トゥルーリ)+3Laps
19.アントニオ・ガルシア(ネクストEV TCR)+3Laps
DNF.サム・バード(ヴァージン)+11Laps