先日、ニートが社畜と戦う漫画「高機動無職ニーテンベルグ」を取り上げたが、今度は主人公が社畜の漫画が登場した。6月4日に発売されたヤングエース7月号(KADOKAWA)で連載を開始した柳ゆき助「働かないよ!ロキ先輩」だ。
主人公の平並凡人(ひらなみぼんど)は、超大手企業のスパルタ社に勤務。エリート街道まっしぐらだったが、「人の10倍働け」「腸炎ならトイレに出社しろ」と言われる激務の中、過労で倒れて入院してしまう。
入院中の隣の患者に「立派な社畜だね!」と言われる
身を粉にして働いていたものの、「役に立たなくなった者に費やす時間はないよ」とバッサリ解雇通告された凡人。ベッドの上で、失意の底に沈んでしまった。
「こんな無茶振りも俺が信頼されてるからだ 俺が欠けたらだめなんだって死にものぐるいでやって来たけど 全然そんな事なかったな…」
そんなときに出会ったのが、隣のベッドに入院していたロキだ。凡人が入院した経緯を知ると、笑顔で「立派な社畜だね!」とズバリひと言。「いやー私もなってみたいな~無職!」と神経を逆撫でしてくる。
ロキは、自分を社長だと自己紹介。凡人を自社へ執拗にスカウトしてくる。しかし、仕事を「楽しい」と言うロキとは相入れそうになく、退院した凡人は他の会社に応募の電話をかけようとする。
ところが凡人の手は、電話をかけられずに止まってしまう。解雇されたときの記憶がフラッシュバックしてしまったからだ。
「またあの生活に戻る…? 休みも睡眠時間も友人に会う暇もない毎日に? …働くって何なんだ? 何十年も我慢を続けて会社に尽くして、それで何だ? だから何だっていうんだ…?」
キャラクターの名前には「北欧神話」が
結局、凡人はロキが紹介したアスガル社の面接を受けることに。現れたのは強面の凹電(おうでん)で、ロキが社長というのは大嘘。本心では断りたいと思っているものの、社畜の性か、凡人はついこのように口走ってしまった。
「大変歴史ある素晴らしい企業とお見受けし 是非御社で働きたいと―…!!」
果たして凡人の新しい仕事はどうなるのか…。雑誌の性格からして、読者層は10代後半から20代がターゲットと思われるが、「働かないよ!」というテーマがどのくらい受け入れられるのだろうか。
なお「働かないよ!ロキ先輩」のカラーページには、「ちょっぴり北欧神話っぽいオフィスコメディ」との謳い文句が。そういえば「ロキ」は、北欧神話に登場する悪戯好きの神様の名前。社長として登場する凹電は「オーディン」と推測できる。新しく勤務するアスガル社は、ロキが暮らしていた王国「アースガルズ」が由来だろう。
今後の展開次第では、他の神様にちなんだ登場人物も現れそうだ。アスガル社での凡人の仕事ぶりとともに、新たなキャラクターにも注目したい。
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