ロマン・グロージャンは、F1モナコGPでの事故のあと「マックス・フェルスタッペンが謝罪を拒否したことに失望している」と語った。
かつてグロージャン自身、数多くのクラッシュを引き起こしており、マーク・ウェーバーからは「ファーストラップの狂人」とまで言われたが、過去の失敗から学び、成長することができたと言う。
「僕も多くのミスを犯し、マークに非難されたときは傷ついたけれど、経験から多くを学び、強くなることができた。大切なのはミスを認めること、そして謝罪することだ」
モナコの事故のあと、フェルスタッペンから謝罪はなかったのかと聞くと、グロージャンは首を横に振った。
「残念だけど、彼は謝らなかった。モナコのレース後、僕たちはスチュワードのところへ行き、僕は彼の背中をポンと叩いたんだ。そのとき、ごめんなさいと言ってくれればよかったのに……。それどころか『ブレーキテストされた』と僕を非難したんだ。実際、僕は前のラップより遅くブレーキを踏んでいたのに」
ジェンソン・バトンはクラッシュそのものよりも、フェルスタッペンが「グロージャンに非がある」と発言したことを問題視している。
「誰かを名指しして、ブレーキテストされたと言うことは、かなり深刻な問題だ。彼はメディアに対して発言するとき、もっと慎重にならなければ」
アクシデントが起きる前からフェルスタッペンはグロージャンの背後に迫っており、グロージャンが抜かれないように警戒していたことは間違いない。ポジションを守るため、グロージャンがトリッキーな運転をしていたと指摘する関係者もいる。しかし、事故の直前に「グロージャンは10~15メートルも手前でブレーキングした」というフェルスタッペンの主張が退けられた以上、フェルスタッペンは裁定を受け入れて反省するべき、という声が強くなっている。
17歳でF1デビューを果たしたフェルスタッペンの才能については、グロージャンも、バトンも認めている。そして「F1は危険なんだ。それを決して忘れてはならない」という言葉には、フェルスタッペン本人も異論はないだろう。