経団連の「倫理憲章」の横やりはあるものの、多くの就活生はすでに何度も面接を受けていることでしょう。選考が順調に進んで内定を得ている人もいれば、不合格が続いて悩んでいる人もいると思います。
とはいえ、二次面接や最終面接まで行ける人は、何社か受ければ自ずと結果は出る可能性が高いです。しかし「一次面接で落ち続けている人」は要注意です。抜本的な改善が必要なのですが、本人は気づいていないことが多々あります。(文:河合浩司)
「一度は就職してみてもいいか」と思えてから応募して
実際に私自身が面接をしていて、「このままではどこからも採用されないだろうなぁ…」と要らぬ心配をしながら見送る後姿を見送る就活生は、一人や二人ではないのです。彼らには、共通した3つの特徴があります。
1つ目は、あえて厳しいことから指摘しますと、「働くのが嫌で嫌で仕方がない…」という雰囲気が全開に出ていることです。思わず「そんなに働くのが嫌なら、働かなくてもいいんじゃないの!?」と言ってあげてしまいたくなります。
個人的な見解かもしれませんが、働くだけが人生ではありません。本当に嫌なら働かなくてもいいのではないでしょうか。嫌々仕事をしても、結局心身ともに壊してしまうことにもなりかねませんから…。
就職以外の道を模索して、「一度は就職してみてもいいか」くらいの気持ちになってから、就活をするのも一つの方法ではないでしょうか。
企業側も「仕事大好き! ヒャッホウ!」みたいな人ばかりを捜し求めているわけではありません。せめて「どうせ仕事をするなら、こういうことをしてみようかな」くらいはないと、面接で落ちることを繰り返し、自信をなくしてしまいますよ。
挨拶できて目を合わせて話せれば「第一印象」はOK
2つ目は、「第一印象の悪さ」です。この手の話になると「印象が暗い」ことを悪く言う人をよく見かけますが、無理して明るくしても入社後に困るだけです。会社によって暗い人が多く集まっている会社もあるので、私は「暗さ」を一概に悪いとは考えていません。
第一印象を良くするのは、決して難しいことは要りません。入室する時から普通に挨拶をしたり、目を合わせて会話をしてくれたりすればいいだけなのです。
就活の噂話で「採用担当者は、第一印象だけで合否を決める」というものがありますが、あれはウソです。しかし、第一印象が良いと、面接担当者が期待するのは確かです。
期待すると、自然と相手への興味関心が強くなりますし、話を聞く気も高まりますから、結果的に通りやすくなるのです。第一印象が悪いと、面接を早く終わらせたくなるのが人間の性です。
会話ができず「一方的に喋り倒す人」は不合格
3つ目は、面接が「会話になっていないこと」です。これは以前にも記事で書きましたが、質問に対する答えが答えになっていない人が非常に多いのです。
例えば「ご自身の長所はなんですか?」「学生時代に頑張ったことはなんですか?」という問いに対して、「長所は、好奇心が強いところです。興味を持ったことは、とことん調べます」「頑張ったことは水泳部の活動です。大学生活を振り返ると、泳いでばかりでした」とひと言プラス一文くらいで答えてくれたらいいのです。
にもかかわらず、1分も2分も一人で喋り続ける人がいます。その挙句、答えの最後には「以上の理由により、御社でも結果を残せる人材です!」などという意味不明な結論に無理矢理結びつける人がいます。
残念ながら就活にはこのような間違った指導が横行していますが、これが間違いであることに気づかないようでは、不合格にせざるをえません。
「一次面接が通らない!」と悩む前に、自分が会話をしているかどうかを確認してみてください。大事なのは相手の質問をきちんと聞いて、問いに答えることです。この当たり前のことができていない人を落とすのが、一次面接なのです。
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