マクラーレンのグループCEO、ロン・デニスが、デンマークの企業に対し、テスト&リザーブドライバーのケビン・マグヌッセンを支援し「母国ヒーロー」の誕生に寄与してほしいと呼びかけた。マクラーレンのシートは埋まっているため、デニスは来年マグヌッセンを他のチームで走らせて経験を積ませたい考えだ。
マグヌッセンは昨年マクラーレンからF1デビューを果たし、初戦で2位を獲得する活躍を見せた。しかしホンダと共に新しいスタートを切る2015年に向けてチームはジェンソン・バトンとフェルナンド・アロンソのペアをレースドライバーに選び、マグヌッセンはわずか1年でテスト&リザーブドライバーに降格される結果になった。
マグヌッセン起用を望んでいたといわれているデニスは、デンマークのエリートビジネスマンが集まる会合に出席し、マグヌッセンがF1レースドライバーに戻れるよう支援してほしいと強く訴えた。
デンマークのEkstra Bladet紙は、デニスが次のような発言を行ったと報じた。
「プロの立場から申し上げて、彼は投資する価値のある人材だ」
「我々はF1でレースをするために年間2億ポンドを支出している。それに比べればほんのわずかな額で彼のキャリアが変わってくる。その1パーセントの額でチームにつながるチャンスが変わってくるのだ」
「皆さんが彼に早く勝ってほしければ、彼に早くワールドチャンピオンになってほしければ、そして愛国心がありデンマークのヒーローを誕生させるチャンスがあると考えるなら、今後の数カ月、我々はその手助けをしたいと思う」
「皆さんがデンマークのヒーローを誕生させることを望み、それを目指して積極的に取り組むのか、あるいは消極的に自分自身の小さな世界の中で生きるのか。それはあなた方次第だ」
「愛国心を持ち、母国のヒーローを誕生させることに協力するチャンスがあるのだということにぜひ気付いていただきたい。そして(マグヌッセンの支援は)自分の会社にとって理にかなう行動であるという、商業的根拠を証明していただきたい」
「母国を第一に、その次に彼のことを考えていただきたい。彼は皆さんの支援にふさわしい人材であると確信している」
デニスは、2016年にマグヌッセンをマクラーレン以外のチームでF1のレースシートに復帰させ、経験を積ませることになるかもしれないと述べている。
「ケビンの能力なら来年レースをすることができる」とデニス。
「彼は現実を直視している。私のチームにはふたりのワールドチャンピオンがいる。世界で最も優秀なドライバーたちだ。だから彼は自分の力を証明しなければならない」
「彼が力を証明するため、学習の1年を過ごせるよう、他のチームに加入する手助けをしなければならない」
「重要なのは彼にその機会を与えることだ」