トップへ

西内まりや、AKB松井、みみめめMIMI……女子ミュージシャンの次なるトレンドは“ピア女”!?

2015年06月04日 15:11  リアルサウンド

リアルサウンド

みみめめMIMI

 miwa、大原櫻子、片平里菜など、昨今のJ-POPシーンを席巻する、いわゆる“ギタ女”たち。その余韻も冷めやらぬ中、次なるトレンドとなりそうなミュージシャンが台頭しつつある。名づけて“ピア女”。ピアノ演奏を得意とする女性ミュージシャンたちだ。


 女性ミュージシャン×ピアノと聞くと、アンジェラ・アキや奥華子を思い出す人も少なくないはず。どちらも確かな演奏スキルと、情感あふれる歌い方で多くのファンを虜にしてきた実力派だ。しかし、いま注目したいのは、楽曲にピアノを取り入れつつもちょっとした意外性もあるというのがミソ。ストレートにピアノと添い遂げるというよりは、ピアノ演奏も武器のひとつにしてしまう多彩さで目を引く女性たちだ。


・西内まりや


 ファッション誌『Seventeen』の専属モデルとして活躍中の西内まりや。モデル、歌手、女優とすでに3足ものわらじを履く彼女だが、先日リリースした3枚目のシングル『ありがとうForever... 』では、ピアノ弾き語りを披露して大きな話題となっている。幼い頃からピアノを習っていたそうだが、アーティストとして演奏をしたのは今作が初めて。この弾き語りはMVにも収められており、「とにかく無我夢中で楽しんで弾きました」と撮影を振り返ってコメントを残している。


・AKB48 松井咲子


 バラエティ番組等で見せた高い演奏スキルにド肝を抜かれた方も多いはず。実は彼女、アイドルでありながら、絶対音感を備え、現在音大に在学中というかなりガチなピアノ奏者。2012年にはグループで初めてピアノインスト曲のみのアルバム『呼吸するピアノ』をリリースし、ソロデビューも果たした。つい先日、AKB48からの卒業を発表(時期未定)。今後は本格的にピアニストとしての道を歩むことになるのか、その動向にも注目が集まっている。


・みみめめMIMI


 10代を中心に人気を集めている女性2人組ユニット。声優でもありシンガーソングライターのタカオユキと、イラストレーターのちゃもーいからなる異色のユニットで、タカオが書いた楽曲に、ちゃもーいがビジュアル付けをし、CDジャケやMVとして世に出すという手法が話題に。6月10日にリリースする4枚目のシングル「CANDY MAGIC」のMVでは、これまでのアニメ風から一転し、初の実写に挑戦。タカオが見事なピアノ演奏を披露している。


 モデルやアイドルとして活躍してきた西内や松井。そして、オリジナルキャラクター“MIMI”を前面に出し、二次元的なアプローチでファンを増やしてきたみみめめMIMI。すでに確固たる立ち位置を獲得した彼女たちが、あえピアノでの楽曲にこだわることには、アーティストとしての本質的な部分が大きく作用しているのかもしれない。本質とは言い換えれば、プライドや矜持のようなもの。表面的なカテゴリやセンセーショナルな報道のされ方で、時に見えにくくなってしまう“表現者”としての姿勢を、自分にもそして周囲にも広く知らせたいという想いの表れのようにも見える。


 ピアノは演奏者次第でさまざまな表情を見せてくれる楽器。加えて、ジャンルを選ばず、どんな楽曲の中でも主役を張れる存在感も持ち合わせている。そんな“万能”な相棒を従えて、自らの可能性を2倍にも3倍にもしていく頼もしい“ピア女”たちこそ、次なるシーンを切り拓く存在にふさわしい。“ギタ女”の次は“ピア女”、ぜひ覚えておいてほしい。


(文=板橋不死子)