F1の商業面のボス、バーニー・エクレストンは、ストラテジーグループを解散し、FIAとFOMがF1の方向性を決定すべきであると発言した。
2013年にスタートしたF1ストラテジーグループは、FIA、フォーミュラワン・マネジメント、ビッグチームを中心とした6チームが参加するシンクタンクで、ここでF1の方向性について検討し、その決定はF1コミッション、その後にFIA世界モータースポーツ評議会に送られ、承認を受けるという流れになっている。
しかし最近エクレストンは、各チームがそれぞれ自身の利益のために動くため物事がなかなか進行しないとして、FIAとFOMは彼らの意見を聞くことなく決断を下すべきだと語った。
「ぐずぐずして意見を求めたりしている場合ではない」とエクレストン。
「何が問題かというと、我々があまりにも民主的に物事に対処しているため、(FIA会長)ジャン(・トッド)が仕事を進められずにいることだ」
「先日ジャンにこう話した。『理にかなったアイデアを見つけたら、何であれ私は支持する。同時に我々(FOM)が理にかなったアイデアを見つけた場合には支持してくれ』とね」
「我々は(チームに対して)こう言うべきなのだ。『これが選手権の規則だ。賛成してくれれば嬉しいし、賛成できないとしてもそれは理解する』とね」
F1ストラテジーグループを廃止すべきだと考えているのかと聞かれたエクレストンは「そのとおり」と答えた。
「コンストラクターが合意に達する可能性は極めて低い。たとえば今のメルセデスなら、何も変えたいとは思わないだろう」
「先月のストラテジーグループ会合では何も決まらなかった。次回会合の日程さえもね」
一部チームからも同様の意見が出ている。レッドブルのチームプリンシパル、クリスチャン・ホーナーは最近次のように発言した。
「どのチームもそれぞれの意見を持っていて、自分のために戦うものだ。バーニーとジャンが一緒に『我々はこういう結果を望んでいる。こういう形で運営すべきだ』と主張し、我々に対してエントリーフォームを用意すべきだ。その上で我々がそれに賛成かどうかを確認すればいい」
トロロッソのチーム代表フランツ・トストもこれに同意し、次のように述べた。
「バーニーとジャンが一緒に我々のやるべきことを決めるべきだ。チーム側に意見を求めてはいけない。チーム間で意見が一致することなどあり得ないのだから」
ピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーは、規則変更に関してチームが主導権を握ってはならないと述べている。
「いかなるスポーツであれ、参戦者が変更の決定にかかわるべきではない。クリスチャンが言ったように、FIAとFOMがこのスポーツの方向性を定めてから、そのガイドラインに従いたいかどうかをチームが決めればいい」