WEC世界耐久選手権のLMP1クラスに参戦しているトヨタは3日、6月13日~14日に決勝レースが行われるル・マン24時間耐久レースにおいて、中嶋一貴を1号車TS040ハイブリッドのドライバーとして起用することを明らかにした。
一貴は、シリーズ第2戦スパ・フランコルシャンのフリー走行でクラッシュし、脊椎を損傷。一時はル・マン参戦を危ぶむ声もあった。ただ、手術やリハビリによって著しい回復を見せた一貴は、5月31日に行われたル・マンテストデーにも参加し、1号車のベストタイムとなる3分25秒321をマーク。ル・マン本戦への参戦については、このテスト後に決定が下されることになっていた。
そして3日、「充分レースに耐えうる体調であることが確認」されたということで、一貴にとっては4度目となるル・マン参戦決定が発表された。一貴は今季これまでと同様、アンソニー・デイビッドソン/セバスチャン・ブエミのふたりとともに1号車をドライブすることになる。
「僕はすでに今シーズン最初の戦いに勝っています。ル・マン24時間に向けた、僕自身の回復のことです」と、今回の参戦決定にあたって語った一貴。病院やドクター、そしてチームスタッフらに感謝の言葉を改めて述べるとともに、レースに向けては次のように意気込んだ。
「昨年、ポールポジションを獲得出来たことは特別な記憶ですが、あくまでも決勝レースでの勝利が目標です。(昨年は)不運にもそれは成し得ず、今年も簡単ではないことは分かっています」
「だからこそ、今年の夢は優勝です。全員が高い士気をもってレースを待ち望んでいます。僕たちは昨年、ル・マン24時間では何も確実なことはないということを学びました。今年はサプライズを起こせることを期待しています」