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「とらや」が和菓子の日にちなんだ菓子販売

2015年06月03日 00:03  オズモール

オズモール

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室町時代から江戸時代にかけて、旧暦6月16日には厄除招福の意味を込めて「16」にちなんだ菓子や餅を食べていたとか。「嘉祥(かじょう)の儀」と呼ばれたこの行事は、明治時代には廃れてしまったそうだけど、1979年に全国和菓子協会がこの6月16日を「和菓子の日」として復活させたとか。今年は6月16日に厄除けを願う和菓子を食べてみる?

2015年6月10日(水)から6月16日(火)まで、室町時代後期から続く老舗和菓子店の「とらや」では「嘉祥の儀」にちなんだ和菓子4種類を販売する。縁起の良い3種の饅頭が楽しめる「嘉祥饅頭3個入」(1080円)は、茶色の「利休饅(りきゅうまん)」、黄色の「薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)」、桃色の「新饅(しんまん)」を1個ずつ小箱に詰めたもの。

「利休饅」と「薯蕷饅頭」は御膳餡(こしあん)入り、「新饅」は小倉餡(つぶあん)入りで、生地は3種とも違う種類が楽しめる。また、それぞれの違う焼印が押されているとか。餅つきの杵をイメージした『利休饅』の焼印は、和菓子の日をつくった全国和菓子協会のマーク。協会加盟店として伝統の味を守りつづけているブランドの証ともとれる。他の饅頭の焼印が持つ意味とは?
「『薯蕷饅頭』には、江戸時代の通貨である嘉祥通宝の『嘉通』の焼印を押しています。この嘉の字は“勝”に通ずる縁起物なので、かつて武家に縁起物として尊ばれました。『新饅』には、縁起の良い小槌の意匠の焼印が押されているんですよ」と、広報の関井さん。


可愛いものが好きな女性への贈り物におすすめなのが、「御目出糖(おめでとう)」「はね鯛」「なりひさご」の3種類の生菓子を詰めた「福こばこ」(1923円)。そぼろ餡に小豆の粒を加え、赤飯に見立てた蒸し菓子「御目出糖」には、小豆の赤い色が邪気を払うという意味を込めたもので、しっとりとした味わい。“めでたい”の語呂合わせにちなんだ名の「はね鯛」は、白餡に求肥を混ぜて煉った生菓子で、口溶けのよいやわらかな食感。道明寺で白餡を包んだひょうたん型の「なりひさご」は、招福や子孫繁栄の願いが込められているそう。もちもちとした食感が味わえる。


予約販売のみの「嘉祥菓子7ヶ盛」(2808円)は、江戸時代末期にとらやが宮中に納めていた“嘉祥菓子”をもとにつくられたもの。写真真上から時計回りに、そぼろ餡で羊羹製(こなし)を挟んだ菓子「武蔵野」、白餡と御膳餡の風味を感じられる「源氏籬(げんじませ)」、白下糖の風味が良い「桔梗餅」、もちもちとした食感を楽しめる「伊賀餅」、生地に白味噌を加えた焼き菓子「味噌松風」、香ばしい白ごまをまぶした求肥「浅路飴」、しっとりした砂糖菓子「豊岡の里」。

「歴史がお好きな方や季節の生菓子を敏感に生活に取り入れている方から、ご好評をいただいております」(同)


また、黒砂糖の餡に小麦粉と葛粉を混ぜて蒸しあげた「嘉祥蒸羊羹」(2268円)は、例年、この時期だけに販売する羊羹で、素朴な味わいが特徴。

めでたい意味がこもった和菓子、日頃お世話になっている人に初夏のあいさつとして贈るのもいいかも。