新卒学生の採用選考段階において、大学名で足切りをする「学歴フィルター」の存在が噂されてきたが、ついにその存在が明らかになったとネットが盛り上がっている。
6月1日、ある就活生がツイッターに2枚の画像を投稿した。就活ナビサイトに掲載された大手有名金融機関の「説明会予約画面」だ。1枚目の画像は、大学名を「日東駒専」で登録したものだといい、説明会は全て「満席」と表示されている。
2枚目は同じ説明会予約画面を、大学名を「東京大学」にして登録したアカウントで撮影したもの。1枚目で満席だった4回の説明会は、全て予約できる状態になっている。
「忍耐強い働きアリ」度は偏差値で測れる?
投稿者は「学歴フィルターは本当に存在した」と投稿。かなりショックを受けたようだ。
「メール届いた直後に予約しようとしてもできないわけだ。採用受けようかと思ったけどこんなん知ったらやる気起きんわな」
さらに「学歴は考慮しませんって言ってても結局はこういう事なんだよね。本当嫌な世の中だね」と投稿し、拡散を呼びかけている。
これに応じるかのように、ネットでは証拠画像を含めて数時間のうちに3万回以上リツイートされた。投稿者はすでにアカウントを削除してしまっている。
ただし多数の拡散にもかかわらず、投稿者に賛同する意見は必ずしも多くない。学歴フィルターの存在はすでに知られているので、「そりゃそうだろ」という受け止め方をする人が多いのだ。
「そらあるよ」「ないと信じてたピュアな奴やな。可哀想」
「誰もそいつの人間性なんて見てないからな。企業側は忍耐強い働きアリになれるかどうかしか見てない。それを測るのに偏差値っていうのはとても便利な指標」
冒頭の投稿者は「学歴は考慮しません」という建前が守られていないと腹を立てるが、大手企業が「学校名不問」を表立って公表しているケースはほとんど見られない。この金融機関の募集要領を見てもそのような記載はなく、「単なる投稿者の思い込みで憤っているのでは?」という指摘もある。
「当社には学歴フィルターあります」と公表勧める声も
大学名と個人のビジネス上の優秀さに関係があるかどうかは分からないが、ナビサイトを使った昨今のネット就活では、人気企業に何万件ものエントリーが殺到する。説明会の枠には限界があり、最初から大学名で足切りをしてしないと対応できないのが現実だ。
その一方で、ネットには採用を担当する人事部員を名乗る人から、「なるべく露骨にならないように選考してるで。低学歴でも留学経験とかあれば優遇してる」として、学校名だけですべてが決まるわけではないという意見もある。
また、学歴フィルターをかけるのは仕方がないが、「それを隠すのはよくない」とする意見も目につく。最初から公表してしまった方が、就活生は自分が内定を取れる現実的な企業に早くから応募することができるし、企業の方もいちいち弾く必要がない。
ツイッターでは「下手に学歴フィルター隠されるよりは堂々とやってもらったほうが手間が省けてお互いハッピーでしょ」とつぶやく人もいた。要するに「当社はMARCH以上しか採りません」と宣言することになるが、消費者感情などを考慮すると実際にはなかなか難しいのではないだろうか。
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