ル・マン24時間テストデーは5月31日、サルト・サーキットで8時間の走行が行われ、ティモ・ベルンハルト/マーク・ウエーバー/ブレンドン・ハートレー組の17号車ポルシェ919ハイブリッドがトップタイムをマークした。
今年は6月13日~14日に決勝レースが行われるル・マン24時間耐久レースに向け、31日に実施された今回のテストには、合計64台が集結。走行は現地時間午前9時から13時までと、14時から18時までの2回のセッション、合計8時間で行われた。両セッションともドライ路面となる時間もあったものの、ともに降雨に見舞われた一日となった。
このテストでトップタイムをマークしたのは、2回目のセッション序盤にドライコンディションのもとでハートレーが3分21秒061をマークした17号車ポルシェ。ちなみに、このハートレーのタイムは、昨年トヨタの中嶋一貴がマークしたポールポジションタイムの3分21秒789を上回っている。2番手には、1回目のセッションで3分21秒946をマークした18号車ポルシェが続き、ポルシェの2台がトップ2を占めた。
3番手は、午前のセッションでマルコ・ボナノミが3分22秒307をマークした9号車アウディR18 e-トロン・クワトロ。4番手から6番手までは19号車ポルシェ、7号車アウディ、8号車アウディと続く形となった。なお、ポルシェ陣営は合計255周、アウディ陣営は合計288周を走破している。
トヨタ勢は、1号車TS040ハイブリッドが3分25秒321をマークして7番手に。WEC第2戦スパで脊椎を損傷するも、驚異的な回復を見せてテスト参加を果たした一貴もこの1号車をドライブした。7番手につけたベストタイムは、一貴が午後のドライ路面でマークしたものだ。また、チームのリザーブドライバーを務める小林可夢偉も、数周ではあるもののドライビングを行っている。2号車トヨタは、1号車とコンマ5秒の差で8番手に続いた。トヨタはこの2台の合計で173周を走行している。
今回がサルトでの初走行となるとともに、公の場での走行も初めてとなったニッサンGT-R LMニスモは、開発を進めるため3台のマシンがそれぞれ異なるプログラムのもとで走行。22号車がストップし赤旗が導入する場面などもあったが、3台で合計111周を走った。
「我々は今日、トップタイムを追求していたわけではないんだ。ル・マンデビューに向けた準備の一環として、学習とデータの収集が全てだった」とチーム代表のベン・ボウルビーが語った通り、総合結果では23号車が総合18番手、22号車が29番手、そして21号車が32番手となっている。なお、トップスピードでは、23号車が両セッションともに首位となる336km/hをマークした。
21号車ニッサンのドライバーとして名を連ねる松田次生は、LMP3車両の75号車ジネッタ・ニッサンでル・マンのルーキーに課される10周の走行をクリア。その後、21号車ニッサンでのサルト初走行もこなしている。
エンジンスイッチにより開幕2戦を欠場したレベリオン・レーシングも、このル・マンテストに2台揃って登場。12号車レベリオンR-One・AERが3分30秒508でトヨタに続く9番手につけ、チーム・バイコレスの4号車CLM P1/01・AERが3分38秒904で11番手に続いた。
LMP2クラスでは、OAKレーシングのクリストファー・カミング/ローレンス・バンスール組34号車リジェJS P2・HPDが3分41秒919をマークしてクラス首位に。2番手にシグナテック・アルピーヌの36号車アルピーヌA450b・ニッサンがつけた。藤井誠暢と星野敏も名を連ねるKCMG × D’station Racingの49号車オレカ03R・ジャッドはクラス20番手、山岸大もラインアップされたイバニーズ・レーシングの44号車オレカ03R・ニッサンはクラス21番手でテストを終えている。
LM-GTEプロクラスではダレン・ターナー/ステファン・ミュッケ/ロブ・ベル組の97号車アストンマーチン・バンテージV8が3分59秒069で首位に。コンマ1秒弱の僅差で64号車シボレー・コルベットC7.Rが2番手に並び、51号車フェラーリ458イタリア、92号車ポルシェ911 RSRと続いた。LM-GTEアマクラスでは、98号車アストンマーチンが3分59秒338でトップに立っている。
また、今回のテストには、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)で今年から新設されたLMP3クラスの車両も参加(※ル・マンはテストのみ参加可)。チームLNTのジネッタ・ニッサンが2台投入され、74号車がLM-GTEプロクラスのトップタイムとほぼ同等の3分58秒308で総合37番手につけている。