WEC世界耐久選手権で1号車トヨタTS040ハイブリッドのドライバーを務める中嶋一貴が、31日にサルト・サーキットで行われるル・マンテストデーに正式に参加することが発表された。脊椎を損傷したクラッシュから一ヶ月、ル・マン本戦への参戦に向け、まずはテストでの走行が決定した。
一貴は4月30日、WEC第2戦スパの初日に行われたフリー走行1回目でクラッシュ。検査の結果、神経系には影響がないものの脊椎の損傷が発覚し、スパ戦は欠場していた。一時はル・マン24時間への参戦も疑問視されていた一貴だったが、その後、ニースの病院で手術を受け、順調にリハビリを行っていることが明かされていた。
31日のテストデーに向けては、エントリーリストにも名を連ね、FIAのメディカルチェックをパスすれば参加が可能な状態になっていた一貴。そして30日、一貴が無事にチェックをパスしたことが明かされ、テストへの参加が決定した。なお、ル・マン本戦への参戦については、今回のテスト後に判断が行われることになる。
一貴は、自身の回復に尽力したメディカルスタッフやチームに感謝の意を示すとともに、次のように喜びのコメントをしている。
「事故の直後、今年のル・マンでドライビングができなさそうに見えた時でさえ、ル・マンへの情熱がモチベーションになっていました」と一貴。
「2015年のル・マン参戦の夢がまだ続いていてとても幸せです。明日のテストでマシンに戻るのが待ちきれません」
なお、今回のテストには、チームのリザーブドライバーを務める小林可夢偉も1号車のドライバーとしてラインアップされている。英AUTOSPORT.comによると、可夢偉も8時間の走行時間の中でドライビングを行う計画なのだということだ。