FFレイアウトのニッサンGT-R LMニスモで今シーズンからWEC世界耐久選手権のLMP1クラスに参戦するニッサン。モータースポーツ部門を率いるダレン・コックスは、実戦デビューとなる来月のル・マン24時間に向けて、GT-R LMニスモはLMP2クラスの予選最速タイムを簡単に上回るだろうと語っている。
今年、実に16年ぶりにル・マンのトップカテゴリーへと参戦するニッサン。既存のセオリーを覆すFFレイアウトを採用したGT-R LMニスモの開発を続けてきた。プログラムの遅れにより、開幕2戦を欠場することになったほか、ハイブリッドシステムの放出量も当初の目標であった8MJから2MJとなったということだが、GT-R LMニスモはLMP2より「大幅に速い」とコックスは展望する。
「昨年彼らはどれくらいで予選を走ったか。3分37秒? 我々はそれより前にいるだろう」とコックス。
「ソーシャルメディア上では多くの予測がなされているが、それらは全くの間違いだ」
「我々はシミュレーションに多くの時間を費やしており、それが可能であることは示されている。ただし、それが目標ではないし、そうであると言うつもりもないよ」
31日のル・マンテストデーはニッサンにとって、他の3陣営が揃う状況では初めての走行となり、ル・マン本戦に向けてはそのタイムにも注目が集まる。ただし、ニッサンは今回、予選アタックは行う予定はないようだ。
「予選アタックに出る予定はないんだ。タイヤがないし、時間もなかったからね」とコックス。マシンの開発プログラムの遅れにより、予選専用タイヤをミシュランとともに開発することができなかったという。
「初年度として、我々のクルマに合ったいいタイヤをもっていると思っている」
「我々には、2ラップだけ持続し、2秒の価値があるタイヤはない。4スティントが1セットなんだ」と語ったコックス。6月13日~14日のル・マン本戦では、スタートから数時間後にニッサンへの判断を下して欲しいのだと語った。
「最初のドライバーのスティントが終わってから我々をジャッジしてほしい」
「言い換えれば、我々が2~3度の給油をし、タイヤを交換した後ということだ」
なお、ニッサンは31日のテストを前に、コース近くの飛行場で2台のマシンの走行を実施。1台はこれがシェイクダウンとなった。