ビジネスマナーで戸惑うことが多いのが、敬語の使い方だ。本人は正しいと思っていても、実は誤った使い方というパターンは多い。新入社員が上司に対して「ご苦労様です」と言ってしまった、という失敗談はよく聞く話だ。
しかし、時代とともに敬語の使い方も変わりつつあり、本当に失礼な言葉なのか議論が分かれるものも出てきた。2ちゃんねるには、部下にコピーを頼んで「了解です」と返された人が「俺舐められてんの?イライラするわ」と憤っている。
ネットは疑問「口頭で承知いたしましたとか堅すぎるだろ」
相手の指示に対して「分かりました」という意思表示をする言葉にも、相手との関係によって変化が必要と言われる。日立ソリューションズのサイトに掲載されているビジネスコラム「今さら聞けない 敬語のマナー」には、こう解説されている。
「『了解』というのは、『相手の考えや事情を分かった上で、それを認める』という意味のある言葉。(…)上から相手を見て許す場合に使うものです。目上の人への返事としては、『かしこまりました』、『承知いたしました』が最適」
しかし、形式的なことが大嫌いなネット民からは、「イライラするわ」と書き込むスレ主に対し、「いちいち細かい奴だな」と批判の声もあがっている。
「了解っておかしいか?」
「口頭で承知いたしましたとか言われても堅すぎるだろ」
「こういうのって寛容になれば済むことなのに、何故か誰が言い出したかわからないマナーを押し付けようとするよね 何故『了解で良いということにしましょう』って流れに持っていかないのか」
会社で敬語の使い方を指摘されて、ネットで愚痴を吐いている新入社員もいる。4月9日に立った「新入社員ぼく、日本社会の窮屈さに辟易」というスレッドでは、スレ主が「なるほど」と相槌を打ったところ、上司に注意されたという。
日本社会には「暗黙の了解」が多すぎるのか
この新入社員は、上司に分からないことを尋ね、教わった後に「なるほどよくわかりました、ありがとうございます」と答えた。すると上司に、こう叱られたという。
「おまえなぁ『なるほど』は目上の人に使う言葉じゃないだろガミガミ」
スレ主は、上司の指摘は素直にありがたいと思っており、自分で調べて「おっしゃる通りです」と言った方がよかったということを知った。しかし「それもどうなのって感じだよな」と納得がいかず、こう思いを明かす
「日本社会全体にこういう暗黙の了解があるってのがもうなんか嫌になるのよ」
他のネット民も「なるほど自体は目上も目下も無い言葉なんだけどな国語の弱い上司だ」「これはひどいな なるほどもつかえない世の中じゃ」と、問題ないという意見がほとんどだ。
しかし前述の「敬語のマナー」でも、「なるほど」は「口調によって相手の発言を見下すような印象を与える」として、「基本的に目上の人に使うのは避けたほうが良い」としている。ただし、その後に「勉強になります」などの言葉を添えれば「相手を不快にさせません」とのことだ。
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