今日の誕生日の作家を紹介するこの連載。5月29日は、明治生まれの小説家、随筆家である内田百?(1889~1971)の誕生日です。
百?は岡山の酒造家の長男として生まれ、東京帝国大学独文科を卒業。大学在学中に夏目漱石の門下生となり、卒業後は陸軍士官学校、法政大学のドイツ語教師に就任します。
百?は漱石を絶対的な師と仰いでいたようで、彼の執筆したエッセイによると、漱石の遺品として彼の鼻毛を保管していたという記述があるほどです。
そして1921年に処女作品集『冥途』を出版し、小説家、随筆家として歩み始めました。小説では『サラサーテの盤』、随筆では『御馳走帖』などを執筆しましたが、変わった旅行記として有名な『阿房列車』シリーズも百?の代表作です。
81歳で亡くなるまで多くの作品を執筆した内田百?ですが、この誕生日を機に彼の作品に触れてみると、きっと百間の独特の世界に魅了されるでしょう。
(新刊JP編集部)