LVMHが仏紙パリジャン買収に向けて交渉、メディア部門拡大へ

　LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトングループ（＝以下LVMH）がフランスの日刊紙「パリジャン」の買収へ向けて独占交渉を進めていることがわかった。フィナンシャルタイムズ紙によると買収額はおよそ5000万ユーロ（約67億円）にのぼるという。

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　「パリジャン」は1944年に創刊され、フランス国内では第4位の規模を誇る日刊紙。現在は、仏メディア大手グループ・アモリが所有しており、去年の発行部数は前年比-8.3％の38万5,000部だったが、グループが運営する自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」などのスポーツ事業に更に注力するため、売却の話が進んでいると見られる。LVMHメディア部門傘下の経済紙「Les Echos」のCEOのFrancis Morelはフィガロ紙の取材に対し「（パリジャンの加入は）LVMHグループに大きく貢献してくれるだろう」と期待を寄せており、交渉は「10月までに決着する」とコメントしている。
　フランスの新聞各社はフリーペーパーや、インターネットニュースサイトの台頭で苦戦を余儀なくされており、「ルモンド」や「リベラシオン」などの大手紙も経営難が続くなど、資金力のある企業や実業家からの出資を受けることが主流になりつつある。