メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、モナコGPでルイス・ハミルトンから勝利を奪うことになった判断ミスについて、ファンからの質問に答えた。
モナコでルイス・ハミルトンはポールポジションからレースをリードし、勝利をほぼ手中に収めていたが、マックス・フェルスタッペンのクラッシュによってセーフティカーが出動、この際にチームがハミルトンをタイヤ交換のためピットに入れたことで、彼はリードを失い、3位に終わった。
この失態に多くのファンが激怒しているなか、メルセデスは彼らから質問を募集、ウォルフがそれに答えた。
この件に責任のある者が誰か解雇されたかという質問に対してウォルフは「それはない。我々はワールドチャンピオンシップチームであり、ひとつのレースだけに基づいて非難合戦をするようなことはない」と答えた。
そもそもなぜハミルトンをピットインさせたのかという質問に対してはウォルフは次のように述べている。
「スーパーソフト(タイヤ)を履いた後続マシンからチャレンジされるリスクに対処するためにピットストップを行うことが可能だと我々は確信していた。残念ながらデータは間違っていた」
「データと直観のバランスを正しくとる必要がある。我々のデータでは十分にギャップがあったのだが、それが間違っていた」
「セーフティカー出動時、ポジションを維持するには12秒のギャップが必要だ。我々のシステムはそのギャップがあると示していた」
バーチャルセーフティカーの後に実際のセーフティカーが出動したことでギャップが縮まったことが失敗の一因かという質問に対しては「違う。決断を下したのは1周後だった」とウォルフは答えた。
ハミルトンはレース後、ピットストップをするという決断はチームと自分が一緒に下したものだったと発言しているが、ウォルフは責任はチームにあると述べている。
「我々は彼にステイアウトするよう言った。ルイスは『いい状態じゃない。タイヤの温度が下がってしまった』と答えた。我々は1秒で決断しなければならず、(チームの)タイミングデータが誤っていたこともあって、彼を呼び入れるというミスを犯した」
ハミルトンは、後続のマシンはタイヤ交換をするものと思い込んでいた。なぜチームは後ろのニコ・ロズベルグもセバスチャン・ベッテルもタイヤ交換はしないと彼に教えなかったのかと聞かれ、「ベッテルはまだセーフティカーに追いついておらず、ピットインする可能性があった」とウォルフは答えている。