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「“短時間”のバーチャル・セーフティカー導入は正しかった」とFIA

2015年05月27日 00:00  AUTOSPORT web

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VSCに続いて“本物”のセーフティカーが導入された
FIAは、F1モナコGP決勝でマックス・フェルスタッペンがクラッシュした際のバーチャル・セーフティカーの導入が正しい手順で行われていたと主張している。

 レース終盤の64周目、10番手を走るロマン・グロージャンを激しく責め立てていたフェルスタッペンは、サン・デボーテのアプローチでロータスのリヤに接触し、ハイスピードのままウォールに突っ込んだ。

 このクラッシュでトロロッソSTRのノーズはウォールに深く潜り込んだが、吸収構造だったことも幸いしてドライバーのフェルスタッペンが大きなケガを負うことはなかった。

 この時、レースディレクターのチャーリー・ホワイティングは、通常のセーフティカーをコースに送り出す前に、最初にF1では初めてとなるバーチャル・セーフティカー・システム(VSC)を発動させている。
 VSCは、昨年の日本GPでジュール・ビアンキが重大事故にあったことから、さらなる安全性の向上を図るために今年から導入されたシステム。仮想のセーフティカー出動コンディションにすることで、マシンの走行スピードを厳しく制限し、ドライバーは指定されたデルタタイムに従って減速しなければならない。

 レースディレクターのホワイティングは、フェルスタッペンの事故が起きた後、メディカルカーの導入も含めて一度状況をすべて把握し、その後でセーフティカー出動を決定したという。
 これについてFIAは、一連の手順がVSCの規則に従って正しく行われたと主張した。

 一方で、メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフが、ルイス・ハミルトンへの不可解なピット指示を釈明する際に、モナコではGPSが機能しないことが混乱の一因になったことを挙げていたが、これについてFIAは、他のサーキットほどGPSの信号が強くないことは認めている。