家を出て、家に帰るまでが「面接」です――。こんなこと書いてある就活本、ありますよね。面接会場周辺にはその会社の関係者がいる可能性も高いので、言動には気を付けましょうという話です。
「そんな大げさな」と思う人も多いと思いますが、これってあながちウソじゃないんです。なぜそう言えるかというと、面接以外の場所でとった行動が採否に影響した事例が、私の周りであったからです。(文:ユズモト)
偶然エレベーターで一緒になった人は…
知人のA君は優しくて頭も良いのですが、あがり症で口下手のために面接に落ち続けていました。
そんなある日、A君はとある大きなオフィスビルにIT企業の面接を受けにいきます。その会社のフロアに向かうべくエレベーターに乗り込み、ドアを閉めようとしたところ、遠くに小走りで向かってくる人の姿が見えました。
A君は「開ける」ボタンを押して、閉まりかけたドアを再度開いて待っていたそうです。慌てて走ってきたその男の人はお礼を言い、同じフロアで降りていきました。
その後、面接室に入ってみるとびっくり。エレベーターで一緒になったのは、その会社の採用責任者だったのです。
その日の面接も、A君はいつも通り全くうまく話せなかったそうですが、面接後に内定の電話が。面接でボロボロだったのにと聞くと、こう言われたそうです。
「当たり前のように『開ける』を押して待ってくれた君を見て、きっと気配りのできる人なんだろうと感じた。そこを評価したんだよ」
あまりにドラマチックすぎて嘘っぽいですが、本当の話です。常に緊張する必要はありませんが、ホッとした会社周辺の喫茶店で会社の悪口をポロッと言ったり、歩きタバコをしたりするのは、やめておいた方が無難だと思います。
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