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テリー伊藤、NHK「白熱教室」で自ら「ミニスカ」役を全うし批判浴びる

2015年05月26日 11:40  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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5月23日放送のNHK「白熱教室」(Eテレ)では、「インターネット時代の公共放送のあり方」というテーマでハーバード大学のマイケル・サンデル教授が、世界各国の公共放送職員と共に討論しました。

そこにゲスト出演したテリー伊藤さんの発言に、ネットで批判の声が上がっているのは、すでにご存じの方もいるでしょう。リアルタイムで視聴していた筆者も、現役プロフェッショナルの中に「過去の人」が混じったように見えて、物悲しさを感じてしまいました。(文・篠原みつき)

サンデル教授が気色ばんで詰問「この意見に賛成しますか?」

出演していた各国の職員たちの討論からは、公共放送が「まじめな番組」と「視聴率のとれる娯楽番組」の間で葛藤している様子が伺えました。「民放の演出家として数々の娯楽番組を成功させてきた人物」として紹介されたテリーさんは、後者の専門家として呼ばれたようです。

サンデル教授に意見を求められると、「まじめな番組だからといって視聴率を取らないのは間違いだと思う」と応え、次のように語りました。

「いまのままではNHKは60~80代しか見ない。硬いです。例えばミニスカートをはいた可愛い子が司会をやるだけで、数字は上がります。批判もあるかもしれないが、それによって若い人が見てくれれば、私はそれで良いと思うんですよね」

テリーさんの発言にサンデル教授は何も言わず、NHKの報道局記者・草場武彦さんに「どうですか?」と振りました。草場さんが自分なりの意見を話すと、サンデル教授は不満だったのでしょうか、こう詰め寄りました。

「私は、あなたがテリーさんにもっと強く反論するだろうと思っていました。彼は、真面目な討論番組の視聴率を上げたければ、若いミニスカートの女性に司会をさせればいいと言ったんですよ? 賛成しますか?」

ノルウェー職員「大切だと思うことは、視聴者を侮らないこと」

草場さんは「いや、賛成しません、NO!」と言い、テリーさんに「それを出すことによってマイナスの空気感を出してしまうかも」と反論すると、テリーさんは「ミニスカートはマイナスですか?」と反論。草場さんは「大事なのはミニスカートではなく、ミニスカートの女性がちゃんとした討論できるかということで…」と答えました。

この様子に黙っていられなくなったのか、ニコニコ動画の運営会社・ニワンゴ社長の杉本誠司さんは「お二人とも作り手側の理論」と指摘し、オーディエンス(視聴者)側からのコンテンツづくりについて話しはじめ、ミニスカート論議は幕引きとなりました。

テリーさんの「ミニスカ」発言のくだりは、視聴者にもショックを与えたようで、ツイッターには呆れた様子の批判が次々と上がりました。

「そうやってテレビの人たちが若者をバカにしてるから、若者が離れていくんだってば」
「発想が昭和だな。家具調テレビのチャンネル権をお父さんが握っていたテレビ家父長制の時代はもう来ないんだよ」
「テリーがいう若者のなかに女性は含まれてないんだね最初から」
「今の若い人は、ミニスカはいた女の子が司会やったくらいじゃ、そんなに見ないと思うよ。ネットでそれよりも刺激的な映像が沢山見れるから」

番組ではその後、ノルウェーの公共放送に勤務する女性職員に発言が求められたのですが、テリーさんの発言を踏まえたような思慮深い回答が、とても印象的でした。

「私たちはネット上で利用できないような番組は作りません。私たちはもう、単なるテレビ局ではなく、公共メディアサービスなんです。そして私が大切だと思うことは、視聴者を侮らないこと。彼らは質の高い番組を求め、優れた内容の番組を求めています」

テリーさん自身が「ミニスカ」役を全うした?

この後、テリーさんは発言することなく、サンデル教授からの指名もないなか「公共というものは本質的にどういうものなのか」など、深い議論が交わされました。

番組も終盤にさしかかり、このまま終わるのだろうと思っていると、「最後に、公共放送を外から見る立場にある、テリー伊藤さんの意見を聞いてみましょう」とのご指名があり、発言が注目されました。

「ネットをやっている人は、好きな食べ物だけを食べているようなもの。世の中はもっとおいしいものもあるよと紹介していく(役目もテレビにはある)。そんなにうまく行くとは思いません。失敗してもいいからチャレンジしていく。それが公共放送のこれからの生きる道だと思います」

この意見は番組の流れからして、あまり新鮮なものに感じられませんでした。テリーさんが「これからの」という言葉を発したとき、「僕にはもう関係ないけど」と言っているように思えたほど。公共放送の未来を本気で考える他の出演者とは、それくらい「現役感」が違いました。

とはいえ、例えば今でもEテレの外国語講座には、男女の若い人気タレントが起用されています。そのことが視聴率や学習効果を上げ、番組を通じて言語を習得した人の数を増やしている可能性もあるでしょう。

テリーさんをあえて擁護すると、表現は下世話ですが、視聴者である「人間」の好奇心に応える番組づくりに言及したもの、と考えることもできます。そもそもNHKが今回の番組ゲストにテリーさんを据えること自体、「マジメな討論番組なんか見ない視聴者」を呼び込もうとする「ミニスカ」役であり、彼はそれを見事に全うしただけなのかもしれません。

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