スーパー耐久シリーズ第2戦スポーツランドSUGO/STXクラス1位16号車REAF REAL ESTATE kiiVA BMW スーパー耐久シリーズ第2戦がスポーツランドSUGOを舞台に開催。24日に行われた決勝レースは、初夏を思わせる気候の中、壮絶なバトルが繰り広げられた。3回もセーフティカーが入るなどアクシデントが頻発し、目まぐるしく総合トップが入れ替わったレースで総合優勝を飾ったのは、予選6番手からスタートの16号車REAF REAL ESTATE KiiVA BMWを駆る、 HIRO/片岡龍也/阿部翼組だった。
予選で唯一レコードタイムを更新し、最速タイムを記したのは5号車MACH MEKERS GT-Rの青木孝行。しかし、タイム合算でポールポジションを獲得したのは、3号車ENDLESS ADVAN BMWの YUKE TANIGUCHI/峰尾恭輔/元嶋佑弥組。開幕戦では最後尾からスタートして優勝しているだけに、最前列からのレースならば連勝も決して夢ではないと思われた。
決勝レースでは、スタートから峰尾が飛ばしに飛ばして、大量のリードを築いてTANIGUCHIにバトンタッチ。ピットタイミングの違いや、中盤の青木の猛追もあって、一時はトップを明け渡したものの、最終スティントを担当した元嶋がしっかり逆転を果たし、そのまま逃げ切るものと思われた。
だが、残り40分で元嶋がバックマーカーの激突を受け、3号車ENDLESS ADVAN BMWは無念のリタイア。代わって5号車MACH MAKERS GT-Rの藤波清斗が、トップに躍り出る。ST-Xクラスにはアクシデントが頻発していたため、後続とは1周以上の差があり、あとはゴールまでマシンを導くだけとなっていた。
ところが、その様子をピットで見守っていた青木、そして白井剛にも衝撃が走る。残り20分で藤波はスローダウン。何とかピットに戻ろうとするも、最終コーナーの上り勾配を登りきれずにマシンを止める。「突然、何の前触れもなく。たぶん電気系だと思います」と肩を落とす藤波。
代わってトップに立ったのは、16号車REAF REAL ESTATE KiiVA BMWHIRO。片岡龍也、阿部翼の慎重すぎるほどの走りが功を奏し、大逆転優勝を果たすこととなった。
「本当にどんどん、バタバタと前を走るクルマがトラブっていって……(笑)。ラッキーもありましたけど、素直に喜びたいと思います」と片岡。
5号車MACH MEKERS GT-Rに限らず、GT-R勢は3台すべてアクシデントに見舞われた。1号車GTNET ADVAN C-WEST GT-RのGAMISAN/星野一樹/吉田広樹組も、そして24号車スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの星野敏/藤井誠暢/岩崎祐貴組も接触でマシンにダメージを負い、ピットでの長い修復を強いられていた。昨年は優勝も飾って、相性のいいコースと思われていただけに、あまりにも悔やまれる展開となった。なお、24号車スリーボンド日産自動車大学校GT-Rは、トップから21周遅れながら規定周回をクリアし4位に入った。
ST-2クラスは、フリー走行で20号車RSオガワADVANランサーの下垣和也/小林且雄/松本武士組がエンジントラブルに見舞われ、スペアがなかったために決勝出走を断念。ライバルがいなくなった59号車DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学/松田晃司組が、終始慎重な走りを見せてニューマシンを2戦目で優勝に導いた。
ST-3クラスは、最後までトップ争いが盛り上がりを見せた。まず予選では、昨年のチャンピオンチーム、34号車asset ingsテクノZ34の前嶋秀司/佐々木雅弘/佐藤公哉組を抑え、ポールポジションを15号車岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34の長島正明/田中徹/田中哲也組が獲得した。
決勝ではスタートから間もなく34号車の前嶋がトップに立ち、続いてドライブした佐々木がマージンを増やして、最終スティントを佐藤に託す。だが、15秒あった差は徐々に減っていき、ラスト20周は15号車の田中が常に真後ろに置いた状態に。佐藤は強烈なプレッシャーに屈することなく走り抜き、最後の直線で横に並ばれるもコンマ2秒差で先にゴールに飛び込んだ。2連勝を飾った34号車asset ingsテクノZ34の佐藤だが、「あと1周あったら、やられていました」と辛勝に納得がいかぬ様子ではあった。
ST-4クラスでも終盤に、激しいトップ争いが繰り広げられる。最初のSCランを活かし、わずか9周で平沼貴之から服部尚貴への交代の英断が効いて、52号車埼玉トヨペットGreen Brave 86が中盤にトップに浮上。続いてドライブした番場琢だったが、「代わって10周ぐらいでABSが壊れた」とペースを上げられなくなり、13号車ENDLESS ADVAN 86を駆る山内英輝の接近を許すことに。
「52号車のブレーキがおかしくなったのが分かったんで、これは絶対にいけるぞ」とレース後に語った山内はグイグイ迫って、残り約20周というところで逆転。番場も意地を見せ、山内を攻め立てたが一歩及ばなかった。しかし、白熱のバトルは観客の視線を釘づけに。バトルを制した山内は、村田信博、島谷篤史とともに表彰台の中央で、満面の笑みを浮かべていた。
ST-5クラスは、2号車ホンダカーズ野崎with CUSCO & BOMEX FITの山田英二/山下潤一郎/加茂新組が今季初優勝。序盤のリードするも、ピット作業違反による10秒ストップペナルティで後退。万事休すかと思いきやSCランを巧みに利用し、69号車BRP★J’S RACINGフィット3の予定外のタイヤ交換にも助けられ逆転を果たすことに。「最終的に、こっち向きに運が来たんじゃないかな」と山田は語っていた。
スーパー耐久シリーズ第3戦は、7月4、5日に富士スピードウェイで開催される。