僅差の優勝争いを繰り広げた石浦宏明(P.MU/cerumo・INGING)と小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans) 全日本選手権スーパーフォーミュラ第2戦は24日、68周の決勝レースが行われ、小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)との接近戦を制した石浦宏明(P.MU/cerumo・INGING)が国内トップフォーミュラでの初優勝を飾った。
実に7年ぶりに国内トップフォーミュラが開催されることになった岡山国際サーキット。決勝日は午前中から天候にも恵まれ、決勝前には刺すような日差しがコース上に降り注いだ。気温29度、そして路面温度は47度を記録するなかで、15時よりスタートを迎えた。
スタートでは、ポールシッターの石浦宏明(P.MU/cerumo・INGING)が危なげなくホールショットを決めた一方、2番手の野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、3番手の山本尚貴(TEAM無限)はやや出足が鈍る形に。一方、抜群のスタートで2番手に浮上したのは5番手スタートのジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL)。4番グリッドの可夢偉も3番手に順位を上げ、野尻、山本と続いていく。
序盤はトップの石浦が後続を上回るペースで徐々にリードを拡大。20周目を終えたところでその差は3秒まで拡がるが、24周を終えた辺りから徐々に後続のペースが上回りはじめ、30周目にはオリベイラが2秒以下まで詰めよっていく。また、オリベイラと可夢偉の差も1.5秒ほどまで接近。ただし、直接的なバトルには至らず。その後方では、野尻と山本がそれぞれ5秒ほどの間隔で続いており、ピットストップがポジション争いの焦点となっていった。
上位勢でまず動いたのは5番手の山本。33周を終えたところでリヤ2本交換でコースへと復帰すると、翌周にピットへ向かった野尻も同様の作戦で山本の前方で復帰する。石浦、オリベイラ、可夢偉のトップ3に動きがあったのはその4周後。オリベイラと可夢偉が同時にピットへ向かう。ただ、オリベイラ陣営は作業にやや手間取った様子でタイムロス。この間に可夢偉が順位を逆転してコースへと復帰。このアウトラップで可夢偉は、オリベイラをオーバーテイクしてきた野尻に追われる形となり、ヘアピンでのブレーキング勝負となるも、ポジションを守り切った。
一方、首位の石浦もその翌周、39周を終えたところでピットへ向かい、実質のトップを守りきってコースへ復帰。上位は石浦、可夢偉、野尻、山本、オリベイラというオーダーとなる。この時点では石浦と可夢偉の差は1秒強となっていたが、45周目を終えたところで両者の差は1秒以内に。
そして47周目、可夢偉が勝負を仕掛ける。裏ストレートでオーバーテイクシステム(OTS)を使い石浦の背後につけると、翌周のストレート、そして裏ストレートと立て続けにOTSを活用。石浦の背後にピッタリとつける。ただ、対する石浦は、可夢偉が3回OTSを使ったところを、1回のみの使用でディフェンス。その後、残り10周を前に両者の差が再び1秒以内となるも、石浦は挙動を乱しながらのペースアップを見せて追撃を許さない。
残り10周を切っても、チェッカーフラッグに向けて両者の差は1秒前後で推移し、接近戦が続いていく。可夢偉も挙動を乱すほどのアグレッシブな走りを見せて石浦を追うが、石浦も3回分を残していたOTSも活用しながらリードをキープ。最終周には裏ストレートで両者ともにOTSを使うもその差は縮まらず、石浦が最後までポジションを守りきってトップでチェッカー! ポール・トゥ・ウインでシリーズ初優勝をもぎ取った。
2位には、デビュー2戦目の可夢偉がわずか1秒差で続き、3位に野尻が入っている。山本は4位となり、5位にはオリベイラ。また6位には、15周目を終えたところでピットへ入り、タイヤ無交換で走りきったアンドレア・カルダレッリ(LENOVO TEAM IMPUL)が続いている。