岡山では3月にプレシーズンテストが行われた。 いよいよ明日から始まるスーパーフォーミュラ第2戦。今回のレースは7年ぶりに岡山国際サーキットで開催されることもあり、それだけでひとつのトピックスでもあるが、今回のレースに向けての注目ポイントをチェックしておこう。
●チャンピオンマシンを大嶋和也がドライブ
今回の大きな注目ポイントとしては、やはりPETRONAS TEAM TOM’Sの1号車を大嶋和也がドライブすること。大嶋は、WEC世界耐久選手権でのクラッシュにより脊椎を負傷した中嶋一貴に代わって、今回チャンピオンナンバーをつけたSF14を走らせることになった。
2012年までフォーミュラ・ニッポン(当時)に参戦し、1勝を挙げている大嶋。明日からの走行を前に、「前回(開幕戦)もトムスが勝っていますし、今一番速いクルマなので、いい結果を出すチャンスだと思っています。楽しみながら攻めていれば結果もついてくると思うので、あまり余計なことは考えず走ろうかなと思います」とリラックスした様子で語った。
大嶋とは公私ともに交流の深い石浦宏明(P.MU/cerumo・INGING)も「大嶋が出てくるので負けられないですね(笑)」と笑いながらも、ライバルとしてマーク。そんな石浦は、3月の岡山テストを3番手で終えているが「テストは調子がすごく良かったのですが、暖かくなってきて、開幕戦もテストのままの状態ではすんなりとは行ってくれなかった。そのあたりをフリー走行の1時間でばっちり合わせられるかだと思います」と冷静に明日以降を展望する。
ちなみに、石浦はかつてFNで岡山を走った経験をもつドライバーのひとり。「2008年の(FN)デビューイヤーに走っているのですが、その時は予選3番手だったんですよね。決勝はアームが折れてリタイアになってしまったんですが。もともと岡山は好きなので、(今回も)なんとかなるんじゃないですかね(笑)」と話した。
●可夢偉の"デビュー2戦目”は?
もちろん、小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)の"SFデビュー2戦目”にも注目が集まる。開幕戦は予選10番手、決勝9位と、予選でのトラブルやスタートでの前車のストールなど“ツキ”がなかった面もあるにせよ、本人も「悲惨でした」と語る結果に。とはいえ、今回の岡山戦に向けては、開幕戦のレース後に「鈴鹿よりはいい状態でいけると思う」と語っていた。
予選日を前に、可夢偉車を担当する山田健二エンジニアに話を聞くと、「距離が短くてタイム差が少ないので、コンマ1秒に何台も入るかもしれない」と接戦を予想しながらも、「そこそこ順調だった」という岡山テストの感触から「トップは狙える位置にはいると思っています」と展望。ただし、「ホンダさんが去年に比べると速いので、上位に進出してくる台数が明らかに去年とは違う。(セットアップで)新たなトライをしていかないとですね」と、パフォーマンスアップを果たしたホンダ勢の速さを警戒している様子だった。
ちなみに、開幕戦の予選で発生してしまったサスペンション系のトラブルについては「もう起きることはないと思います」(山田エンジニア)とのこと。予選Q1では、トヨタ勢トップとなる5番手タイムをマークしていた可夢偉だけに、今回こそはトラブルフリーでその速さを見せつけてほしいところだ。
一方、トヨタ勢も警戒するホンダ陣営だが、開幕戦の決勝レースではトラブルも発生。塚越広大(REAL RACING)はレースをスタートすることができなかったほか、小暮卓史(DRAGO CORSE)も電気系のトラブルでリタイア。また、PPスタートの山本尚貴(TEAM無限)は、3位走行中の最終ラップにエンジンブローでストップを喫し、ノーポイントに終わった。
フル参戦初年となるDRAGO CORSEに移籍し、迎えた開幕戦は序盤でリタイアとなった小暮に話を聞くと、「チームがいいクルマを作ってくれていると思いますし、チームにもいい思いをしてもらいたいですね。今回は予選からガンガンいきたいと思います」と力強く今週末に向けた意気込みを語っていた。